製品レポート

自作PCの作り方【手順その4】Windows 11とデバイスドライバーをインストール

Windows 11とデバイスドライバーをインストール

前回でパソコンの組み立てが終わった。ここからはWindows 11とデバイスドライバーをインストールし、パソコンを使える状態にする手順だ。

13. Windows 11をインストールする

パソコンがきちんと動作したら、Windows 11をインストールしよう。購入したパッケージのメディアを使ってインストールしてもよいが、もう1台PCがあるなら、手持ちのUSBメモリーを使ってインストール用メディアを作るという手もある。有効なプロダクトキーがあれば、必ずしも購入時のインストールメディアを使わなければならないというわけではない。

インストール用メディアを作るメリットは、最新版のWindows 11をインストールできる点だ。Windows 11は継続的にアップデートが行われているため、例えば1年前に買ったメディアでインストールすると、アップデートにとても時間がかかる。最新の大型アップデートを適用した状態でインストールすれば、インストール後は最小限のアップデートで済む。

インストール用メディアの作成にはマイクロソフトが提供する「Media Creation Tool」というソフトを使う。ソフト自体のバージョンが古いと古いバージョンのWindows 11をダウンロードする場合があるため、作業する直前にマイクロソフトのWebサイトからダウンロードするとよい。

インストールメディア作成ツール「Media Creation Tool」

ダウンロードはこちら

なお、インストール中の画面はアップデートの度に少しずつ変化する。今回紹介するのは2025年6月時点の手順だ。

Windows 11の「Media Creation Tool」

Windows 11の「Media Creation Tool」

マイクロソフトが提供するツール「Media Creation Tool」。最新版のWindows 11のインストールメディアを作れる他、ISOイメージファイルのダウンロードもできる。

USBメモリーに直接コピー

USBメモリーに直接コピー

ツールでUSBメモリーの作成を選ぶのが簡単。指定したUSBメモリーの中身は全て消えるので注意しよう。新しく用意するのが安全だ。容量は最低8GB必要だ。

USBメモリーを接続して起動

USBメモリーを接続して起動

作成したインストール用USBメモリーを差した状態でパソコンを起動する。まずはBIOS(UEFI)設定画面を開こう。

起動デバイスを選ぶ

起動デバイスを選ぶ

「Boot Option」というメニューからUSBメモリーを選ぶ。「UEFI:○○」という選択肢を選ぼう。

インストールの開始

インストールの開始

インストール用メディアから起動するとこの画面になる。設定項目が見えるが、ほとんど変更できない。「次へ」をクリックする。

キーボードの設定を選ぶ

キーボードの設定を選ぶ

キーボードの種類を選ぶ。後で変更できるので、「次へ」を選んで進める。

実行するセットアップを選択する

実行するセットアップを選択する

このプログラムでは、Windowsの新規インストールのほかに既存のシステムの修復もできる。ここでは「Windows 11のインストール」を選ぶ。ファイル等が削除されることに同意する必要があるが、新しくPCを組んだ場合は気にしなくてよいだろう。

プロダクトキーを入力する

プロダクトキーを入力する

プロダクトキーが手元にある場合はここで入力する。「プロダクトキーがありません」をクリックすると、後回しにしてWindowsのインストールを進めることもできる。

エディションを選択する

エディションを選択する

プロダクトキーを入力しなかった場合は、ここでインストールするエディションを選ぶ。持っているプロダクトキーと違うエディションをインストールしてしまうとアクティベーションができなくなってしまうため注意しよう。

ライセンス条項の確認

ライセンス条項の確認

インストールするにはライセンスに同意する必要がある。目を通して「同意する」をクリックする。

インストール先を選択する

インストール先を選択する

Windows 11をインストールする先を選ぶ。内蔵ストレージを1つしか取り付けていない場合は「ディスク0」を選ぶ。画面ではインストールに使用したUSBメモリーが「ディスク1」として表示されている。

インストール設定の確認

インストール設定の確認

ここまでの設定の確認を行う。「インストール」をクリックするとインストールが始まる。

インストールが始まる

インストールが始まる

インストールが始まったら、しばらくは見ているだけだ。途中で何度かシステムが再起動する。USBメモリーからSSDへのインストールなら、10分程度で終わるはずだ。

Windowsの初期設定をする

Windowsの初期設定をする

インストールが終わったら、最後にWindowsの設定をする。地域の設定はあらかじめ日本が選択されているので、「はい」を選んで進める。

キーボードを設定する

キーボードを設定する

日本語入力のIMEを選ぶ。ここは「はい」で進める。次の画面でIMEを追加できるが、後からも追加できるため「スキップ」で先に進もう。

ネットワークの設定

ネットワークの設定

Windows 11は初期設定の時点でインターネット接続が必要。有線LANの環境があると簡単だ。無線LANを使う場合は、あらかじめSSIDとパスワードを調べておこう。

更新プログラムをチェック

更新プログラムをチェック

途中、何度か更新プログラムをチェックする画面が表示される。操作は不要なので終わるのを待つ。

パソコンの名前を設定する

パソコンの名前を設定する

Windows 11では、パソコンをMicrosoftアカウントと紐付けて使う。同じアカウントで複数の機器を使うこともあるため、判別しやすいように分かりやすい名前を付けておこう。

Windows Updateを実行する

Windows Updateを実行する

ここでアップデートが実行される。少し時間がかかる場合もある。

Microsoftアカウントを紐付ける

Microsoftアカウントを紐付ける

Microsoftアカウントにサインインする。アカウントを持っていない場合は次の画面で作成することも可能だ。

PINコードを設定する

PINコードを設定する

Windowsにサインインする際に使うPINコードを設定する。

プライバシー設定をする

プライバシー設定をする

位置情報などプライバシー情報の設定を行う。こうした情報は個人を特定しない形でデータ分析等に使われる。拒否してもよい。

設定を復元する

設定を復元する

他のパソコンで使ったことのあるMicrosoftアカウントでサインインすると、バックアップから設定を復元できる。復元しない選択も可能だ。

デスクトップが表示される

デスクトップが表示される

スマートフォンとの連携などの機能紹介があった後、デスクトップ画面が表示される。これでWindows 11のインストールはほぼ完了だ。

インストールに失敗する場合は

要件を満たしていないと表示される

要件を満たしていないと表示される

Windows 11の動作要件は満たしているはずなのに、「システム要件を満たしていません」と表示される場合がある。これはマザーボードのセキュリティ機能が原因であることが多い。設定で有効にしよう。

セキュリティ機能を有効にする

セキュリティ機能を有効にする

今回使用したマザーボードは、「Advanced」タブの「CPU Configuration」に設定があった。「AMD fTMP switch」がそれだ。「AMD CPU fTMP」が選択されていればOK。モデルによって項目名が異なる可能性があるため、「Security」や「TPM」、「PTT」などの単語をヒントにして探すとよい。

14. デバイスドライバーをインストールする

Windows 11をインストールした直後は、Windows 11があらかじめ備えているデバイスドライバー(「インボックスドライバー」とも呼ぶ)しかないため、一部の機能が使えなかったり、性能が発揮できなかったりする。そこでデバイスドライバーをインストールする。従来はマザーボード付属のCDやDVDでインストールしていたが、今は光学ドライブがないパソコンが多いこともあり、メーカーのWebサイトなどから最新版をダウンロードするのが主流と言えるだろう。

デバイスドライバーはWindows Updateでも入手できる。そのためまずWindows Updateを実行してから足りないデバイスドライバーをメーカーのWebサイトから入手するという手順が楽だ。場合によっては、Windows Updateだけで一通りのデバイスドライバーがそろってしまうこともある。

デバイスマネージャーで状態を確認

デバイスマネージャーで状態を確認

デバイスマネージャーを開くと、いくつかの項目に「!」マークが付いているのが分かる。これは機器や機能が正常に認識されていないという意味だ。Windows Updateである程度解消される場合もあるが、消えない場合はマザーボードメーカーのWebサイトからデバイスドライバーをダウンロードしてインストールしよう。

マザーボードの製品ページからダウンロード

マザーボードの製品ページからダウンロード

マザーボードのデバイスドライバーは、メーカーサイトの製品ページからダウンロードできることが多い。たくさんあってどれをダウンロードすれば分からない場合は、チップセットのドライバーから試してみよう。

デバイスマネージャーの「!」がなくなれば、一通りのセットアップ作業は完了だ。好きなソフトをインストールして使い始めよう。

自作パソコンの楽しみは、組み上がってからも続く。規格さえ合えば好きなようにパーツの追加や交換ができるため、不満の出た部分を補強して長く使い続けたり、全く新しい機能を追加したりといったこともできる。自分の使う道具を自分で組み上げる楽しさを、ぜひ味わってもらいたい。

(文=宮川 泰明、写真=渡辺 慎一郎)

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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