前回はCPUの取り付けまで進んだ。今回はマザーボードにパーツを一通り取り付け、動作確認までする。
使用する部品や取り付け手順は製品によって異なる場合がある。使用する製品にマニュアルが同梱されているはずなので、確認しながら作業しよう。
4. CPUクーラーを取り付ける
次に取り付けるのはCPUクーラーだ。ただ、使用するPCパーツによっては手順を前後させた方がよい場合もある。例えば、空冷CPUクーラーは大型モデルだとファンやヒートシンクがメモリースロットを覆ってしまい、後からだとメモリーを取り付けにくくなることがある。反対にメモリーを先に付けるとファンの取り付けが難しくなることもあるため、臨機応変に対応しよう。メモリースロットと干渉しないことを売りにしたCPUクーラーを選ぶのも手だ。
標準リテンションを外す
AMD製CPUに対応したマザーボードは、標準でCPUクーラーを固定するためのリテンション(固定具)が取り付けられている。今回はCPUクーラーに付属するリテンションを使うため、外す。外したパーツはマザーボードの保証を受ける際に必要となる可能性があるため、CPUソケットのふたと同様に保管しておこう。
CPUグリスを塗る
CPU表面とCPUクーラーの隙間を埋めて熱伝導率を高めるため、CPU用のシリコングリスを塗る。CPU中央に適量出しておけばヒートシンクを取り付けた際の圧力で自然に広がるので、塗り拡げる必要はない。一般的にCPUクーラーに付属するCPUグリスは2、3回分入っており、全部使い切ると多過ぎるので注意しよう。
5. メモリーを取り付ける
次に取り付けるのはメモリーだ。現在のCPUはほとんどがデュアルチャンネルメモリーに対応しているため、基本的に2枚セットで使うのがお勧め。マザーボードのモデルによって、優先的に使うスロットが決まっている。色が分かれているなら同じ色のスロットを使うのが基本だが、CPU寄りと端寄り、どちらを使うかは決まっていない。過去には色の違うスロットをセットで使うというモデルまであったので、思い込みで作業せずにマニュアルで確認した方がよい。
6. M.2 SSDを取り付ける
M.2 SSDは外装のない、基板だけの製品だ。そのため、ストレージでありながらPCケースではなく、マザーボードに取り付ける。ケーブルを使わないので、取り付けは簡単だ。マザーボードをPCケースに取り付ける前に作業しておこう。
7. 一度動作確認をする
ここまで来たら、一度電源ユニットをつないで起動するか確認してみよう。途中で確認しておくことで、完成した後に動かない場合でも原因究明しやすくなる。基本的には必要最低限の環境で行うものなので、M.2 SSDの取り付けと手順を反対にしてもよい。
起動確認するには、電源ユニットと液晶ディスプレイ、キーボードが必要だ。ひとまず、電源ユニットの準備から始めよう。
必要なケーブルをつなぐ
Thermaltake Technologyの「TOUGHPOWER GT/750W ATX3.1」はフルプラグインタイプなので、使用するケーブルをつなぐ。CPUがグラフィック機能を備えていれば、この段階ではメイン24ピンケーブルとCPU用8ピンケーブルだけでよい。
ここで画面が映らない場合は、どこかに問題がある。ただし、この時点だとケアレスミスである可能性が高い。電源ユニットのケーブル端子がきちんと奥まで差さっているか、メモリーが奥まで差さっているか、電源ユニットの電源ボタンがオフになっていないか、壁のコンセントにきちんとつないでいるか、といったことを確認してみよう。一旦全てのケーブルを抜いて、再度差し直してみるのも有効だ。
それでもだめならメモリーを1本にしてみる、電源ユニットのケーブルや端子を変えてみる、CPUも外して付け直してみる、といったことを試し、どうしても動かない場合はパーツを購入した店舗に相談しよう。1店舗でまとめて購入しておくと相談しやすい。
次回はPCケースへの取り付けだ。
次の手順を見る(文=宮川 泰明、写真=渡辺 慎一郎)
※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。