製品レポート

自作PCの作り方【手順その2】マザーボードにPCパーツを取り付け・動作確認

マザーボードにPCパーツを取り付け、動作確認

前回はCPUの取り付けまで進んだ。今回はマザーボードにパーツを一通り取り付け、動作確認までする。

使用する部品や取り付け手順は製品によって異なる場合がある。使用する製品にマニュアルが同梱されているはずなので、確認しながら作業しよう。

4. CPUクーラーを取り付ける

次に取り付けるのはCPUクーラーだ。ただ、使用するPCパーツによっては手順を前後させた方がよい場合もある。例えば、空冷CPUクーラーは大型モデルだとファンやヒートシンクがメモリースロットを覆ってしまい、後からだとメモリーを取り付けにくくなることがある。反対にメモリーを先に付けるとファンの取り付けが難しくなることもあるため、臨機応変に対応しよう。メモリースロットと干渉しないことを売りにしたCPUクーラーを選ぶのも手だ。

標準リテンションを外す

標準リテンションを外す

AMD製CPUに対応したマザーボードは、標準でCPUクーラーを固定するためのリテンション(固定具)が取り付けられている。今回はCPUクーラーに付属するリテンションを使うため、外す。外したパーツはマザーボードの保証を受ける際に必要となる可能性があるため、CPUソケットのふたと同様に保管しておこう。

スペーサーを付ける

スペーサーを付ける

リテンションを固定していたバックプレートはそのまま流用し、ねじ穴に合わせてスペーサーを取り付ける。

固定用のプレートを取り付ける

固定用のプレートを取り付ける

今回使用する「CNPS13X DS BLACK」を固定するためのリテンションのプレートを取り付ける。スペーサーを通してバックプレートにねじ留めする形だ。

CPUグリスを塗る

CPUグリスを塗る

CPU表面とCPUクーラーの隙間を埋めて熱伝導率を高めるため、CPU用のシリコングリスを塗る。CPU中央に適量出しておけばヒートシンクを取り付けた際の圧力で自然に広がるので、塗り拡げる必要はない。一般的にCPUクーラーに付属するCPUグリスは2、3回分入っており、全部使い切ると多過ぎるので注意しよう。

ヒートシンクを乗せる

ヒートシンクを乗せる

リテンション側のねじとヒートシンク側のねじ受けの位置を合わせ、ヒートシンクを乗せる。

ヒートシンクをねじ留めする

ヒートシンクをねじ留めする

ヒートシンクのねじ受けにドライバーを当て、締めていく。片方を先に最後まで締めてしまうとヒートシンクが傾いて反対側を付けにくくなるため、交互に少しずつ締めていくとよい。

ファンを取り付ける

ファンを取り付ける

付属のクリップを使ってファンを取り付ける。今回は問題なかったが、ファンがメモリースロットの上に被さるなら、メモリーを先に取り付けた方がよい。

5. メモリーを取り付ける

次に取り付けるのはメモリーだ。現在のCPUはほとんどがデュアルチャンネルメモリーに対応しているため、基本的に2枚セットで使うのがお勧め。マザーボードのモデルによって、優先的に使うスロットが決まっている。色が分かれているなら同じ色のスロットを使うのが基本だが、CPU寄りと端寄り、どちらを使うかは決まっていない。過去には色の違うスロットをセットで使うというモデルまであったので、思い込みで作業せずにマニュアルで確認した方がよい。

メモリースロットのラッチを開く

メモリースロットのラッチを開く

使うスロットのラッチ(留め具)を開いて取り付けの準備をする。マザーボードによって優先的に使うスロットが異なるため、マニュアル等で確認しよう。

メモリーを差し込む

メモリーを差し込む

切り欠きの位置を合わせ、メモリーをスロットに取り付ける。奥まで押し込むとラッチは自然に閉じる。反対に、閉じていない場合は奥まで差せていないのでもっと押し込もう。

ラッチを確認する

ラッチを確認する

2枚とも差せたら、改めてラッチの状態を確認する。メモリーが斜めになっていたり、押し込んでもラッチが閉まらない場合は一度外して向きが反対になっていないか見てみよう。

ファンの電源をつなぐ

ファンの電源をつなぐ

CPUソケットの近くにある、CPUクーラー用のファン電源端子にケーブルを差す。マザーボードがCPUクーラーのファンの回転数を検知できるよう、必ずCPUクーラー用の端子を使おう。

6. M.2 SSDを取り付ける

M.2 SSDは外装のない、基板だけの製品だ。そのため、ストレージでありながらPCケースではなく、マザーボードに取り付ける。ケーブルを使わないので、取り付けは簡単だ。マザーボードをPCケースに取り付ける前に作業しておこう。

スロットのねじを外す

スロットのねじを外す

M.2 SSDはねじで直接マザーボードに固定する。マザーボードがSSD用のヒートシンクを搭載している場合はまずヒートシンクを外す。小さめのねじを使うので、あらかじめ精密ドライバーのセットを用意しておくとよい。

切り欠きに合わせて取り付ける

切り欠きに合わせて取り付ける

M.2 SSDも端子部に切り欠きがあるので、向きを合わせて差し込む。

ねじで固定する

ねじで固定する

SSDを斜めに差したらヒートシンクを重ねて水平に倒し、ねじで固定する。これで取り付けは終わりだ。ヒートシンク裏側に保護シートが貼ってある場合は忘れずに剥がしておく。

7. 一度動作確認をする

ここまで来たら、一度電源ユニットをつないで起動するか確認してみよう。途中で確認しておくことで、完成した後に動かない場合でも原因究明しやすくなる。基本的には必要最低限の環境で行うものなので、M.2 SSDの取り付けと手順を反対にしてもよい。

起動確認するには、電源ユニットと液晶ディスプレイ、キーボードが必要だ。ひとまず、電源ユニットの準備から始めよう。

必要なケーブルをつなぐ

必要なケーブルをつなぐ

Thermaltake Technologyの「TOUGHPOWER GT/750W ATX3.1」はフルプラグインタイプなので、使用するケーブルをつなぐ。CPUがグラフィック機能を備えていれば、この段階ではメイン24ピンケーブルとCPU用8ピンケーブルだけでよい。

電源ケーブルをマザーボードにつなぐ

電源ケーブルをマザーボードにつなぐ

マザーボード側にもメイン24ピンとCPU用8ピンケーブルをつなぐ。CPU用8ピンは端子が2個あることも多いが、片方だけでOKだ。

画面が映ればOK

画面が映ればOK

一部のマザーボードは基板上に電源ボタンを備えているが、ない場合はPCケースの電源スイッチのケーブルをつなぐ。ここまで正常に組み立てられていれば、電源スイッチを押せば画面が映るはずだ。BIOS設定画面に入り、CPUのモデル名、メモリーの容量と速度、SSDのモデル名が正常に認識しているかを確認しておく。

ここで画面が映らない場合は、どこかに問題がある。ただし、この時点だとケアレスミスである可能性が高い。電源ユニットのケーブル端子がきちんと奥まで差さっているか、メモリーが奥まで差さっているか、電源ユニットの電源ボタンがオフになっていないか、壁のコンセントにきちんとつないでいるか、といったことを確認してみよう。一旦全てのケーブルを抜いて、再度差し直してみるのも有効だ。

それでもだめならメモリーを1本にしてみる、電源ユニットのケーブルや端子を変えてみる、CPUも外して付け直してみる、といったことを試し、どうしても動かない場合はパーツを購入した店舗に相談しよう。1店舗でまとめて購入しておくと相談しやすい。

次回はPCケースへの取り付けだ。

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(文=宮川 泰明、写真=渡辺 慎一郎)

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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