製品レポート

自作PCの作り方【手順その2】マザーボードにPCパーツを取り付け・動作確認

マザーボードにPCパーツを取り付け、動作確認

前回はCPUの取り付けまで進んだ。今回はマザーボードにパーツを一通り取り付け、動作確認までする。

使用する部品や取り付け手順は製品によって異なる場合がある。使用する製品にマニュアルが同梱されているはずなので、確認しながら作業しよう。

4. CPUクーラーを取り付ける

次に取り付けるのはCPUクーラーだ。ただし、今回使用する「Hyper 212 EVO V2」(Cooler Master Technology)のようにヒートシンクやファンがメモリースロットの上まで張り出している製品もある。そうした場合は先にメモリーを付ける。反対に、先にメモリーを付けるとCPUクーラーが付けにくくなることもあるため、パーツを仮置きしてみるなど臨機応変に対応しよう。メモリーと干渉しないことを売りにしたモデルを選ぶのも手だ。

バックプレートの準備をする

バックプレートの準備をする

バックプレートはCPUクーラーを固定する土台(リテンション)を取り付けるための補強だ。CPUソケットによって穴の位置が異なるため、Hyper 212 EVO V2のバックプレートはねじの位置を調整できるようになっている。

バックプレートをマザーボード裏にあてがう

バックプレートをマザーボード裏にあてがう

マザーボードを裏返して、バックプレートを当てる。ねじがねじ穴を通っており、傾いていないか確認しよう。

バックプレートを固定する

バックプレートを固定する

バックプレートを当てたままマザーボードを裏返し、リテンションの柱となるパーツで固定する。

プレートを固定する

プレートを固定する

柱にリテンションのプレートを取り付け、ナットで固定する。プラスドライバーで回せるため、しっかりと締めておく。

CPUグリスを塗る

CPUグリスを塗る

隙間を埋めて熱伝導率を高めるため、CPU用のシリコングリスを塗る。塗ると言っても、中央に適量出しておけばよい。ヒートシンクを取り付ければ自然に広がる。量の目安は写真で出している分くらいで、付属している分を全て使うと多過ぎる。ただし足りないと冷却効果が落ちるため、少ないよりは多めにした方がよい。

ヒートシンクを乗せる

ヒートシンクを乗せる

リテンションのねじ穴の位置を確認しながらヒートシンクを乗せる。

ヒートシンクをねじ留めする

ヒートシンクをねじ留めする

ヒートシンクをリテンションにねじ留めする。片方を先に最後まで締めるとヒートシンクが傾いてしまうため、ある程度までは交互に少しずつ締めていくのが良い。

5. メモリーを取り付ける

次に取り付けるのはメモリーだ。LGA1200のCPUはデュアルチャンネルメモリーに対応しているため、基本的に2枚セットで使うのがお勧め。マザーボードのモデルによって、優先的に使うスロットが決まっている。色が分かれているなら同じスロットを使うのが基本だが、CPU寄りと端寄り、どちらを使うかは決まっていない。過去には色の違うスロットをセットで使うというモデルまであったので、思い込みで作業せずに調べた方がよい。

今回使用したCPUクーラーはメモリースロットの真上にファンが来るため、メモリーの後にファンを取り付けている。

メモリースロットのラッチを開く

メモリースロットのラッチを開く

使うスロットのラッチ(留め具)を開いて取り付けの準備をする。マザーボードによって優先的に使うスロットが異なるため、マニュアル等で確認しよう。

メモリーを差し込む

メモリーを差し込む

切り欠きの位置を合わせ、メモリーをスロットに取り付ける。奥まで押し込むとラッチは自然に閉じる。反対に、閉じていない場合は奥まで差せていないのでもっと押し込もう。うまく差せたらもう1枚も差す。

反対向きには差さらない

反対向きには差さらない

向きを反対にしたところ。中央付近を見ると、メモリー側の切り欠きとスロット側の突起がずれているのが分かる。この状態だときちんと差さらない。

CPUクーラーのファンを取り付ける

CPUクーラーのファンを取り付ける

大きめのCPUクーラーはファンがメモリースロットを覆ってしまうことが多い。その場合はメモリーの後にファンを取り付ける。

ファンの電源をつなぐ

ファンの電源をつなぐ

CPUソケットの近くにある、CPUクーラー用のファン電源端子にケーブルを差す。マザーボードがCPUクーラーのファンの回転数を検知できるよう、必ずCPUクーラー用の端子を使おう。

6. M.2 SSDを取り付ける

M.2 SSDは外装のない、基板だけの製品だ。そのため、ストレージでありながらPCケースではなく、マザーボードに取り付ける。ケーブルを使わないので、取り付けは簡単だ。マザーボードをPCケースに取り付ける前に作業しておこう。

スロットのねじを外す

スロットのねじを外す

M.2 SSDはねじで直接マザーボードに固定する。マザーボードがSSD用のヒートシンクを搭載している場合はまずヒートシンクを外す。小さめのねじを使うので、あらかじめ精密ドライバーのセットを用意しておくとよい。

切り欠きに合わせて取り付ける

切り欠きに合わせて取り付ける

M.2 SSDも端子部に切り欠きがあるので、向きを合わせて差し込む。

ねじで固定する

ねじで固定する

SSDを斜めに差したらヒートシンクを重ねて水平に倒し、ねじで固定する。これで取り付けは終わりだ。ヒートシンク裏側に保護シートが貼ってある場合は忘れずに剥がしておく。

7. 一度動作確認をする

ここまで来たら、一度電源ユニットをつないで起動するか確認してみよう。途中で確認しておくことで、完成した後に動かない場合でも原因究明しやすくなる。基本的には必要最低限の環境で行うものなので、M.2 SSDの取り付けと手順を反対にしてもよい。

起動確認するには、電源ユニットと液晶ディスプレイ、キーボードが必要だ。ひとまず、電源ユニットの準備から始めよう。

必要なケーブルをつなぐ

必要なケーブルをつなぐ

Thermaltake Technologyの「TOUGHPOWER GRAND RGB 650W」はフルプラグインタイプの電源ユニットだ。使うケーブルを選んでつないでおこう。ここではメイン24ピンケーブルとCPU用8ピンケーブルをつないだ。

電源ケーブルをマザーボードにつなぐ

電源ケーブルをマザーボードにつなぐ

起動に必要なケーブルはメイン24ピンとCPU用8ピンのみ。つないだら、液晶ディスプレイと映像ケーブルで接続し、電源ユニットを壁のコンセントとつなぐ。

画面が映ればOK

画面が映ればOK

一部のマザーボードは基板上に電源ボタンを備えているが、ない場合はPCケースの電源スイッチのケーブルをつなぐ。ここまで正常に組み立てられていれば、電源スイッチを押せば画面が映るはずだ。BIOS設定画面に入り、CPUのモデル名、メモリーの容量と速度、SSDのモデル名が正常に認識しているかを確認しておく。

ここで画面が映らない場合は、どこかに問題がある。ただし、この時点だとケアレスミスである可能性が高い。電源ユニットのケーブル端子がきちんと奥まで差さっているか、メモリーが奥まで差さっているか、電源ユニットの電源ボタンがオフになっていないか、壁のコンセントにきちんとつないでいるか、といったことを確認してみよう。一旦全てのケーブルを抜いて、再度差し直してみるのも有効だ。

それでもだめならメモリーを1本にしてみる、電源ユニットのケーブルや端子を変えてみる、CPUも外して付け直してみる、といったことを試し、どうしても動かない場合はパーツを購入した店舗に相談しよう。1店舗でまとめて購入しておくと相談しやすい。

次回はPCケースへの取り付けだ。

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(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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