製品レポート

自作PCの作り方【手順その3】各パーツをPCケースに取り付け、ケーブルを配線

各パーツをPCケースに取り付け・ケーブル配線

ここからはPCケースに各パーツを取り付けていく。ケーブル配線まですれば完成だ。

マザーボード上の端子の位置など、分からないことがある場合はマニュアルを確認しよう。

8. PCケースの準備をする

まずはPCケースの準備をしよう。サイド、トップ、フロントのパネルを外し、必要に応じてマザーボードのねじ穴に合わせてスペーサーを取り付ける。

サイドパネルを外す

サイドパネルを外す

サイドパネルは手回しねじやラッチ機構など、工具なしで外せるようになっていることが多い。今回使用した「View 380 XL TG ARGB Black」もラッチ式なので、上部を引っ張るだけで外せる。

フロントパネルも開けておく

フロントパネルも開けておく

ピラーレスタイプのPCケースは、フロントパネルも外せるようになっているモデルが多い。外しておくと内部に手を入れやすく、作業しやすくなる。View 380 XL TG ARGB Blackはフロントパネルを外すためにトップパネルも外す必要があるため、併せて外した。

9. マザーボードをPCケースに取り付ける

マザーボードを取り付ける際は、PCケースにバックパネルを先に付けておく。ただ、マザーボード側にバックパネルが固定されていることも増えてきており、その場合は必要ない。

ねじを締めるコツとしては、初めは緩く仮留めしておき、後でしっかり締めるようにするとよい。少しずれるだけでねじ穴の位置が合わなくなってしまうため、後から微調整できた方がよいからだ。今回はミリねじを使ったが、PCケースによってはインチねじを使う場合もある。

位置を合わせてマザーボードを取り付ける

位置を合わせてマザーボードを取り付ける

今回使用する「B650 Steel Legend WiFi」(ASRock)はバックパネルがマザーボードに固定されているため、別途PCケースに取り付ける必要はない。位置合わせもバックパネルが目印になるため簡単だ。

ドライバーでねじ留めする

ドライバーでねじ留めする

ミリねじでマザーボードを固定する。使用するねじはPCケースによって異なるため、手応えがない場合や固くてドライバーが回らない場合はマニュアルを見直してみよう。

10. 電源ユニットを取り付ける

電源ユニットはPCケースによって上部に固定する場合と下部に固定する場合がある。現在は下部が主流だ。

電源ユニット設置部を確認する

電源ユニット設置部を確認する

多くの場合、電源ユニットはPCのケース底部に取り付けるが、View 380 XL TG ARGB Blackは設置部がマザーボード裏にある。写真はサイドパネルを外し、ドライブ用ステイを兼ねたカバーを開いたところ。

電源ユニットにケーブルを接続する

電源ユニットにケーブルを接続する

電源ユニットに必要な電源ケーブルをつなぐ。メイン24ピンとCPU用8ピンのケーブルは前回つないだため、今回はグラフィックボード用の12V-2x6ケーブルを追加した。

電源ユニットを取り付ける

電源ユニットを取り付ける

電源ユニットを設置部にあてがい、外側からねじ留めする。ねじ穴の位置をよく確認しよう。

隙間がないか確認

隙間がないか確認

固定できたら、改めて外側から見てPCケースと電源ユニットが密着しているか確認しよう。隙間ができていると騒音の原因になる場合がある。

使う場合は2.5/3.5インチドライブも取り付ける

今回は使用していないが、2.5インチSSDや3.5インチHDDを使う場合はケーブル配線の前に取り付けておく。一般的なタワー型PCケースならドライブベイが他のパーツと干渉することはあまりないため、取り付けのタイミングはいつでも良い。

以前はDVDドライブ等を取り付ける外部ベイが必要だったため、フロントパネルの内側にドライブベイを配置したPCケースがほとんどだった。外部ベイをあまり使わなくなった近年はマザーボードベースの裏側やシュラウドの内側など、目立たない場所にドライブベイを隠すことが増えている。こうした変化に伴い、ドライブの固定にマウンターやトレイを使うPCケースが主流になった。

シャーシに固定するタイプも多い

シャーシに固定するタイプも多い

HDDやSSDをシャーシに固定するPCケースも増えた。View 380 XL TG ARGB Blackもマザーボード裏のカバーに固定用のねじ穴を設けている。

11. ケーブル配線をする

パソコン自作で最も複雑な工程がこのケーブル配線だ。どのケーブルをどのパーツにつなぐか、確認しながら確実に進めよう。基本的に間違ったケーブルは差さらないようになっているが、力を入れると差さってしまう場合もある。抵抗が強い場合は無理せず合っているか再確認するとよい。最近のPCケースはマザーボード裏のスペースを使って余ったケーブルを隠せるようになっている(「裏面配線」と呼ぶ)。ケーブルを通すためにシャーシ(マザーボードのベース)に穴が空いているので、うまく使ってきれいに配線しよう。見た目がよいだけでなく、空気の流れも良くなり、冷却面でも有利になる。

特に前面端子用のピンヘッダーは細かく、配列がマザーボードのモデルによって異なる場合がある。マニュアルを横に置いて見比べながら作業するとよい。USB 3.2 Gen 1のケーブルは太く、取り回しがしにくいため一番最後につなぐのがお勧めだ。

端子に近い穴から表に引き出す

端子に近い穴から表に引き出す

マザーボード裏にあるケーブルを表に引き出す。配線用にあちこちに穴が空いているため、目的の端子の近くを通すとよい。

PCケースの前面端子のケーブルを確認する

PCケースの前面端子のケーブルを確認する

前面端子用のケーブルをどこにつなぐか確認する。ピンヘッダーは基本的にマザーボードの端に配置されているが、見つからない場合はマニュアルで確認する。

ピンヘッダーにケーブルをつなぐ

ピンヘッダーにケーブルをつなぐ

マザーボード端のピンヘッダーにケーブルをつないだ。左から電源ボタン等の端子類、CPUクーラーと接続するUSB 2.0端子、ケースファン、前面オーディオ端子。

PCケースのUSB 3.x端子のケーブルをつなぐ

PCケースのUSB 3.x端子のケーブルをつなぐ

左がType-C用、右がType-A用の端子。USB 3.x用のケーブルは太く、硬いことが多いため取り回しには注意が必要だ。今回は干渉の心配がなかったため先に接続したが、端子の位置によってはグラフィックボード取り付けの後につないだ方がよい。

RGB端子をつなぐ

RGB端子をつなぐ

CPUクーラーやケースファンなどがRGB LEDを搭載しており、マザーボードが備えるRGBコントロール機能を使う場合、マザーボードのRGB端子と接続する。通常のRGB端子とアドレサブルRGB端子は異なるため、取り違えないように注意しよう。「B650 Steel Legend WiFi」ではアドレサブルRGB端子は「ADDR_LED」と表記されていた。

12. グラフィックボードを取り付ける

拡張スロットのブラケットを外す

拡張スロットのブラケットを外す

ブラケットは目隠し板などとも呼ぶ。手回しねじで留まっていることも多いが、狭いのでドライバーで外した方が確実だ。1枚のグラフィックボードで2ヶ所のブラケットを使うことも多い。

グラフィックボードを取り付ける

グラフィックボードを取り付ける

取り付けの際は、まずスロットの留め具を開いておく。次に拡張スロットとグラフィックボードの端子の位置を合わせ、押し込む。きちんと入ればブラケット部分の位置も合っているはずだ。最後にねじで固定する。

電源ケーブルをつなぐ

電源ケーブルをつなぐ

PCI Expressの電源ケーブルをグラフィックボードに接続する。グラフィックボードの補助電源には従来の8ピン(6+2ピン)端子と12V-2x6端子(旧12VHPWR端子)があるので注意しよう。今回はマザーボード下の穴からケーブルを通した。

余ったケーブルを背面側に戻す

余ったケーブルを背面側に戻す

表側に回したケーブルに遊びが残っていると見栄えが悪く、ファンに引っかかる場合もある。背面側から軽く引っ張っておくとよい。View 380 XL TG ARGB Blackはマザーボード裏のスペースが広いため、余ったケーブルを収納しても余裕がある。

組み立てが完了

組み立てが完了(右サイド)

組み立てが完了(左サイド)

これで組み立ては完了だ。液晶ディスプレイ、キーボード、マウスをつないで動作チェックをしよう。画面が映らない場合などに見直しがしやすいよう、サイドやフロントのパネルはまだ付けなくてもよい。

これで組み立てが終わった。画面が映ったらBIOS(UEFI)設定画面に入り、CPUやメモリー、SSDが認識しているか確認する。きちんと動作していれば、一度電源を落としてサイドパネルを閉めよう。念のため、閉めるのはWindowsのインストールが終わるまで待ってもよい。

次回はWindows 11のインストールに進む。

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(文=宮川 泰明、写真=渡辺 慎一郎)

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

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