製品レポート

秋の夜長に満喫ゲームライフ

秋の夜長に満喫ゲームライフ

朝の空気も冷たくなり、いよいよ冬が見えてきた。暖房器具としてのパソコンの活躍に期待したいところだが、今年はどうだろうか。

今回紹介するのは一見季節はずれなノートPC用クーラー「Allways Control」、「Massive TM」、「Massive SP」の3点で、ディアルファン搭載モデル、温度センサー搭載モデル、スピーカー搭載モデルを紹介する。ノートPCにクーラーは夏だけと思う方もいらっしゃると思うが、冬場にノートPCでゲームすることを想定し、レポートを作成した。

検証に用いた機材はMSIコンピュータ製のGE40 2OC Dragon Eyes。基本スペックはこちらを参照してほしいが、Core i7 4702MQプロセッサにGeForce GTX760Mを搭載するハイエンドクラスに属するゲーミングPCである。


Allways Control

Allways Control Allways Control Allways Control

見た目はオーソドックスなノートPCクーラー「Allways Control」。ファンを2基搭載し、それぞれ独立して風向きの調整が可能。ファンの回転数は連動し、1,300rpm~2,100rpmで切り替えられる。給電は左側面のUSBポートから行い、右側面にはUSB2.0ハブを4ポート装備する。

Massive TM

Massive TM Massive TM

外観はIHコンロのようなデザインだが、4つの温度センサーを搭載する「Massive TM」。温度センサーはレール内であれば自由に移動ができるため、好みのポイントに設置可能。銀色部分はアルミで2つの可変速ファン(1,000/1,300rpm)で冷却を行う。背面はUSB2.0ポート2基で1基は給電に使われる。

Massive SP

Massive SP Massive SP

ノートPCでは限界のある音の部分を冷却と一緒に強化してしまおうというモデルである「Massive SP」。両サイドにつまみ式のダイヤルがあるが、向かって右側がボリュームの調整、左側が風量の調整とデザイン性を殺さず機能を搭載している。LEDのオンオフができる大型の14cm静音ファンを搭載し、800~1,300rpmの間で調整が可能。

検証に用いた GE40 2OC Dragon Eyes

検証に用いたノートPCはMSIコンピュータ製のGE40 2OC Dragon Eyes。ハイエンドクラスに属するゲーミングPCだ。

実際にノートPC、特にゲーミングモデルでは、負荷がかかった処理を行っている最中に左側のパームレスト部分がかなりの熱を持つ。CPUやGPUはキーボード側に設置されていることが多く、冷却も適切に行なわれるよう設計されているため、そこまで熱いと感じることはないだろうが、パームレスト部分に関しては高熱になりやすく、ゲームの緊張感ではなく、物理的に手汗握る状態になったことがある人も多いのではないだろうか。かくいう自分は多汗症気味ということもありゲーム中の汗対策として写真のようなティッシュやハンカチで該当部分をガードすることでこの熱を軽減するという涙ぐましい努力を行なっている。


性能を求めれば求めるほどお世話になる物理遮熱兵器

性能を求めれば求めるほどお世話になる物理遮熱兵器。ノートPCメインで扱っていた時は外出時でもティッシュやハンカチは必ず忘れない癖をつけさせてくれた。

ノートPCをAllways Control上に設置すると以下のようになる。厚さのイメージとしては、ちょうどゲーミングノートであれば2倍のサイズになるといったところだろうか。給電用のUSBコネクタはUSB→USBやUSB→mini USB Bと種類があるが、いずれもケーブルが同梱されているので問題ない。また、USBポートは製品により1~2個占有してしまうがノートクーラー側にハブ機能を有しており、ポート数が減少することはないのでこちらも気にしなくてよいだろう。

17インチノートに対して設置した例

17インチノートに対して設置した例。ちょうどぴったりのサイズ。USBを2ポート占有するのだが、そもそもこのクラスのノートPCであればポート数が足りないということはないだろう。ノートクーラーで4ポートのUSBハブが追加される。

片方のファンに付いている回転数を調整するつまみ

厚さはちょうどノートPCの2倍ほど。傾斜角はもう1段階高くすることが可能。


まずは使用時、直感的に感じるノートPC表面の熱はどうなのか調べてみた。外部温度の計測手段としてMassive SP(温度センサー付モデル)を用いた。

計測条件として実ゲームを考慮し、新生FF14ベンチマークを通常より長めの60分の間ループで実行し、60分経過後の4つの中でもっとも温度が高かった左手前側底面温度を計測。机直置きを想定してノートクーラーの冷却ファンを停止した場合と、ノートクーラーを有効にした場合の温度で比較した。

計測の結果、ノートPCの底面温度はファンのオン・オフで意外と差がつかず、ファン回転オフの設定でアイドル時32℃、最高35℃、ファン回転オン(AUTO/TURBO)がともにアイドル時30℃、最高32℃となった。肝心の体感温度はやはりガードは外せないものの、ハンカチなどを通して伝わってくる熱はだいぶん軽減されたように感じる。

次にノートPC内部の温度はどうだろうか。ここではAllways ControlとMassive TMの2モデルを計測する。これからの計測はCoreTempを用いて計測するため、計測は机直置きの場合とノートクーラーを活用した場合で比較しているので注意してほしい。

計測の結果、机直置きの場合が高負荷時平均81℃(最高94℃)、Allways Controlの最高速度で平均67℃(最高82℃)、通常速度で平均71℃(最高88℃)。Massive TMはTURBOで平均68℃(最高87℃)、AUTOで平均73℃(最高86℃)であった。

計測結果

実際の動作温度はいずれの環境でも問題はなかったが、内部では表面以上に大きな違いが計測された。最大で14℃、最少でも3~4℃と決して無視できない差である。半導体は温度差が広がれば広がるほど、寿命が加速度的に短くなっていき、約10℃違うと寿命が約半分になるといわれるほどだ。ノートメーカー側もこの問題に最大限対応すべく様々な努力を行なっているが、どうしても本体サイズや重量、動作音といった問題の限界があり、そのフォローを行なうのがノートクーラーの役割といってもよいだろう。

逆にこのような温度差で気になるPCの性能差だが、いくつかのパターンで測ってみたところいずれも誤差の範囲内のスコアで収まっており、正常に動作する範囲内であればどんな状況下でも最大のパフォーマンスを発揮していた。ここはさすがゲーミングモデルのノートPCを数多く輩出してきたMSIといったところだろうか。

ちなみに、ベンチマーク計測結果については平均フレームレート約50fps、SCOREは6100ほどととても快適に動作する基準を満たしている。60fpsを目指したければ一部シャドウまわりを調整すると、すぐに到達できるであろう結果だ。

以上、ニコニコ動画連続視聴といったゲーム以外のパターンも試してみたかったが、時間の都合上実施できなかったことをお詫びしたい。しかし、机の上だけで使うデスクトップPCとは違い、いろいろな場所で使うことができるノートPCであるからこそ、温度面では気を付けていただきたい。そしてこれからノートPCを買う人、また夏を乗り切ったと安心している人もぜひ検討してみていただければ嬉しい。


※ CoreTempが計測している温度は実際の内部温度ではございません。デジタルデータを基にCoreTemp独自の解釈で行なっており、実際の数値に近い方法を求めることは設定を変更することで可能ですが、今回は同一ノートPC内にて温度差を計測するという条件のため、計測された数値自体の誤差は無視しています。


ベンチマーク計測条件
画面サイズ 1600×900
スクリーンモード設定 仮想フルスクリーンモード
グラフィック設定のプリセット 高品質(ノートPC)
描画設定 -HDRレンダリングを有効にする(グラデーション描画をなめらかにする) : 有効
-オクルージョンカリングを有効にする(見えないものの描画を簡略化する) : 有効
-LODを有効にする(遠影表示に簡易モデルを使用し描画負荷を軽減する) : 有効
-LODストリーミングを有効にする : 無効
-リアルタイムリフレクション : 適用しない
-アンチエイリアス : FXAA
-ライティングの品質 : 標準品質
-細かい草の表示量 : 通常表示
影の表示設定 -自分 : 表示する
-他人 : 表示する
影の表現 -キャラクターの影のLODを有効にする : 有効
-影の解像度 : 通常解像度:1024ピクセル
-影の表示距離 : 最長表示
-ソフトシャドウ : 強く
テクスチャ品質 -テクスチャフィルタ : 異方性
-テクスチャ異方性フィルタ : x4
揺れの表現 -自分 : 適用する
-他人 : 適用する
画面効果 -周辺減光を有効にする(画面の隅を自然に暗くする効果) : 有効
-放射ブラーを有効にする(爆発などで周囲に向かって画面をぼかす効果) : 有効
-SSAO(立体感を強調する効果) : 弱く:標準
-グレア(光があふれる表現) : 通常表現
カットシーン効果 -被写界深度表現を有効にする : 有効

(文・写真=うり坊)

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

紹介製品はこちら
Massive TM
製品の詳細
Thermaltake
Massive TM
10~17インチまでのノートブックに対応。4つの温度センサー、コントロールパネルを搭載したノートブッククーラー
Massive SP
製品の詳細
Thermaltake
Massive SP
10~17インチまでのノートブックに対応。ステレオスピーカーを内蔵するノートブッククーラー
Allways Control
製品の詳細
Thermaltake
Allways Control
10~17インチまでのノートブックに対応。デュアルファンを搭載したノートブッククーラー

●Thermaltake社 概要
Thermaltakeは1999年1月に台湾で設立され、「Thermaltake」というブランド名を携え世界市場へ製品の提供を続けてまいりました。Thermaltakeはシステムの効率改善、ユーザーのPCポテンシャルを最大に引き出す、美的で高品質製品を設計します。革新的なデザインと独特のスタイルを一貫し、Thermaltake製品はDIY市場での話題と、トレンドリーダーの関心を集める、世界中のユーザーに定評のあるメーカーです。「BCN AWARD 2021」PCケース部門において、最優秀賞を3年連続受賞いたしました。
メーカーウェブサイト:https://jp.thermaltake.com/

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