製品レポート

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Synology NAS入門【手順その4】多彩なマルチメディア機能(写真、動画、音楽)

第4回はマルチメディア機能を紹介しよう。第2回で紹介したように、SynologyのNASは「DiskStation Manager(DSM)」という独自のOSで動作する。これにより、ストレージでありながらPCなしで音楽や動画などのマルチメディアコンテンツを扱える。

コンテンツを扱うには、メディアの種類に応じて対応するアプリのインストールが必要だ。ここでは、DSMで写真、動画、音楽を活用する方法を紹介する。今回使用するスマートフォン用のアプリは全てAndroid版とiOS版があり、Android版で紹介している。

写真の閲覧、管理をする「Photo Station」

写真やスクリーンショットなどの画像は、「Photo Station」アプリで利用する。「File Station」アプリでもプレビュー表示はできるが、Photo Stationを使うとさらにアルバム作成、タグ付け、共有などができる。

Photo Stationは、DSMのセットアップ時に作成される「共有フォルダ」の「photo」にある画像を扱える。反対に、他の共有フォルダにある写真等はPhoto Stationに反映されないので、用途によって使い分けると良いだろう。

「Photo Station」を起動すると、Webブラウザーの新しいタブで開く

「Photo Station」を起動すると、Webブラウザーの新しいタブで開く。左のメニューにある「アルバム」には、photoフォルダー内にあるフォルダーが表示される。

フォルダーを選ぶと、フォルダー内にある写真がサムネイル表示される

フォルダーを選ぶと、フォルダー内にある写真がサムネイル表示される。標準では1ページ50枚ずつの表示となる。

マウスポインターを画像に重ねると、サムネイルの左上にチェックボックスが現れる

マウスポインターを画像に重ねると、サムネイルの左上にチェックボックスが現れる。クリックするとその画像を選択した状態になり、上部のメニューが変化する。

画像をクリックすると大きく表示される

画像をクリックすると大きく表示される。下部のメニューから共有などの操作も可能だ。

画像の共有もできる

Photo Stationでは、File Station同様URLを発行してほかの人に画像を送る共有機能が使える。受け取る側がSynology製品を使っている必要はないため、田舎の両親に旅行の写真を送りたいといったシーンで役に立つ。Photo Stationの機能で共有するメリットは、受け取った相手がWebブラウザー上で画像を大きなサイズで見られる点だ。File Stationではフォルダーで共有した場合でもサムネイル表示しかできず、一度ダウンロードしないと大きなサイズで見られない。

スマートフォンから写真を見る場合は、「DS photo」アプリを利用する。基本的な動作はPhoto Stationとほぼ同じで、メニューの「アルバム」からphotoフォルダー内にある画像を閲覧できる。スマートフォン内の画像をアップロードしたり、NAS内の画像を誰かに送ったりといった機能も使える。

「DS photo」アプリはGoogle Playストアからダウンロードする

「DS photo」アプリはGoogle Playストアからダウンロードする。

画像はサムネイルで表示される

画像はサムネイルで表示される。ファイル名や撮影日などで並び替えも可能だ。

右上の「...」アイコンのメニューから、開いているフォルダーへ画像をアップロードしたり、画像の共有をしたりできる

右上の「︙」アイコンのメニューから、開いているフォルダーへ画像をアップロードしたり、画像の共有をしたりできる。

もう一つの写真アプリ「Moments」

DSMにはPhoto Stationのほかにもう一つ写真用のアプリがある。「Moments」だ。こちらはよりカジュアルに写真を管理できる。

Momentsアプリをインストールすると、「home」の共有フォルダ内に「Drive」フォルダー、さらにその中に「Moments」フォルダーが作成される。このフォルダー内に画像ファイルをコピーして使う。コピーの際はフォルダー分けをしてもよいが、Moments側ではフォルダー構造は無視されて全ての画像が一覧表示される。管理はアルバムで行うのが原則だ。

Momentsの特徴は、位置情報や人物の顔、猫といったテーマに沿ってアプリが自動的に写真を判別し、アルバムを自動作成することだ。特定の人が写った写真を集めたアルバムなどが作られるため、自分で厳密に管理しなくてもよい手軽さが売りだ(利用可能な機能はモデルによって異なる。例えば「DiskStation DS218j」は顔認識のみ)。もちろん自分でアルバムを作ることもできる。

「Moments」の画面

「Moments」の画面。「写真」タブではFile Station上のフォルダー構造は影響せず、「Moments」フォルダー内の写真を全て並べて表示する。

「アルバム」タブではテーマごとにアルバムが自動生成される

「アルバム」タブではテーマごとにアルバムが自動生成される。写真が増えるとアルバムも増えていく。同じ写真が複数のアルバムに登録されることもある。

動画の閲覧、管理をする「Video Station」

近年、スマートフォンのカメラ機能も進化しており、ビデオカメラを持っていなくても動画を撮る機会は増えている。しかし動画ファイルは容量が大きく、内蔵ストレージを圧迫してしまう。動画ファイルをPCに移していると、あっというまに内蔵ドライブの空き容量を埋めてしまう。NASに動画を移しておけば、使い勝手を損なうことなくPCやスマートフォンの内蔵ストレージの空き容量を増やせる。

動画の再生、管理にはDSMの「Video Station」アプリを使う。DSMのセットアップ時に推奨されるアプリのセットに入っているため、改めてインストールしなくてもよい場合も多いだろう。

Video StationはPhoto Stationとは異なり、NAS上のどのフォルダーにあるファイルも指定できる。その代わり初期設定ではどのフォルダーも指定されていないため、自分で設定する必要がある。サムネイル画像も自分で用意する。

「Video Station」の初回起動時には、動画一覧には何も表示されない

「Video Station」の初回起動時には、動画一覧には何も表示されない。

動画ファイルのあるフォルダーを設定するには、画面右上の歯車のアイコンから「設定」のメニューを開く

動画ファイルのあるフォルダーを設定するには、画面右上の歯車のアイコンから「設定」のメニューを開く。

「ムービー」「TV番組」「ホームビデオ」の項目にマウスポインターを重ねると「フォルダの追加」のアイコンが現れる

「ムービー」「TV番組」「ホームビデオ」の項目にマウスポインターを重ねると「フォルダの追加」のアイコンが現れるので、クリックする。各項目の名前は管理用で、登録する動画がその内容でないといけないわけではない。

「フォルダ」に動画のあるフォルダーを登録し、「OK」をクリックすると登録は完了だ

「フォルダ」に動画のあるフォルダーを登録し、「OK」をクリックすると登録は完了だ。すぐにフォルダーの確認が始まり、動画の一覧が表示される。

動画を選択すると、タイトルや日時、ジャンルなどが表示される

動画を選択すると、タイトルや日時、ジャンルなどが表示される。自分で撮影した動画の場合は自分で登録する。

「...」のアイコンから「ビデオ情報を編集」を選ぶと、動画の情報を編集できる

右上にある「...」のアイコンから「ビデオ情報を編集」を選ぶと、動画の情報を編集できる。「ポスター」はサムネイルのこと。画像ファイルをサムネイルに設定できる。

スムーズに再生するトランスコード機能

今回利用している「DiskStation DS218+」や「同DS218 play」のようにトランスコード機能に対応しているモデルでは、保存してある動画のビットレートが高くきちんと再生できない場合でも、再生可能な容量までダウンサイズして転送できる。動画を利用する予定があるのであれば、トランスコード機能付きのモデルを検討するとよいだろう。

スマートフォン用のアプリは「DS video」だ。Video Stationと連動しており、「ムービー」「TV番組」「ホームビデオ」の項目や各項目に登録したフォルダーをそのまま使える。

「DS video」はVideo Stationの設定をそのまま使う

「DS video」はVideo Stationの設定をそのまま使う。あらかじめVideo Station側で設定をしておこう。

トランスコード機能に対応している場合、「ビデオコード変換」の設定項目がある

トランスコード機能に対応している場合、「ビデオコード変換」の設定項目がある。有効にしておくと自動で最適な解像度で転送される。

音楽を楽しむ「Audio Station」

「Audio Station」は音楽を聞くのが好きにな人にお薦めのアプリだ。NASに音楽ファイルをまとめて入れておくことで、PCやスマートフォンのストレージの空き容量を増やせる。Quick Connect機能と組み合わせれば、どこにいても全てのコレクションにアクセスできる。家族と共有するのも簡単だ。

利用する際は、共有フォルダの「music」に楽曲ファイルを保存する。管理の基本はアルバムごとにフォルダーを作ることだ。アルバムのカバーアートは「cover.jpg」などのファイル名で同じファルダーに保存するため、同じアーティストの楽曲を1つのフォルダーにまとめると全て共通のカバーアートになってしまう。

Audio Stationはほかのアプリと異なり、DSMと同じタブ内で開く。ウィンドウの構成はFile Stationと似ており、左のメニューでフォルダーなどを選んで右側に内容を表示する。アルバム名やアーティスト名でまとめて表示することもできるので、楽曲ファイルのタグはきちんと登録しておくとよい。

再生する際は、ウィンドウ右側に表示しているリストの中から楽曲を選ぶ。ループ再生やランダム再生はそのリスト内で行われる。好きな曲だけを選んで再生したい場合はプレイリストを作ることも可能だ。

「Audio Station」はDSM上にウィンドウで開く

「Audio Station」はDSM上にウィンドウで開く。ウィンドウ左側にメニューがあり、右側に内容や楽曲の一覧が表示される。下部に操作パネルがある。

「フォルダ別」でフォルダーを開いたところ

「フォルダ別」でフォルダーを開いたところ。タグにアルバム名、アーティスト名を登録しておくと、そちらでも検索できる。

家の外でも音楽を楽しめる

スマートフォンのアプリは「DS audio」。機能はAudio Stationと連動しており、musicの共有フォルダにある音楽ファイルを再生できる。カバーアートも共通で利用できる。視聴方法はストリーミングのほか、端末にダウンロードしておいて持ち出すことも可能だ。

「DS audio」の画面

「DS audio」の画面。カバーアートを登録しておくと、ここでも表示される。曲名の右の「...」アイコンをタップするとダウンロードなどのメニューが現れる。

通常は「ライブラリ」からフォルダーやアルバム名などを選んで利用する

通常は「ライブラリ」からフォルダーやアルバム名などを選んで利用する。「ダウンロードした曲」では、ダウンロード済みの楽曲だけが表示され、端末から削除することも可能。

ホームネットワークに対応したメディアセンター機能

ネットワーク対応のテレビやネットワークプレーヤーを持っていれば、メディアセンター機能も便利だ。PCやスマートフォン以外の機器からも動画や音楽を再生できるようになるので、さらに活用の場が広がる。メディアセンター機能を使うには、パッケージセンターから「メディアセンター」アプリをインストールするだけでOK。自室にあるNASからリビングに配信することもできる。

PCで「iTunes」(Apple)を使っているのであれば、「iTunes Server」アプリもインストールしておくとよい。NASにある楽曲をiTunesで再生できる。

「iTunes Server」をインストールすると、「iTunes」で楽曲のある場所としてNASを選べるようになる

「iTunes Server」をインストールすると、「iTunes」で楽曲のある場所としてNASを選べるようになる。

また、ダウンロード支援の機能もある。「Download Station」はURLなどを登録しておくと、そのファイルをダウンロードするアプリだ。LinuxベースのOSである「Ubuntu」がパッケージの配布に使っている「Bittorrent」にも対応。たとえば「Ubuntu 18.04」のインストーラーは1.7GBほどもあり、ダウンロードするには時間がかかる。Download Stationに登録しておけば、画面の前で待っている必要はない。

「Download Station」は登録したダウンロードタスクをPCを介さずに実行できる

「Download Station」は登録したダウンロードタスクをPCを介さずに実行できる。

4回に渡ってSynologyのNAS、「DiskStation DS218+」の使い方を紹介してきた。いかがだっただろうか。USB接続のHDDなど、純粋なストレージではできないことが多くあり、とても便利なことが分かってもらえたと思う。手持ちの機器が増えてデータの管理方法に悩んでいる人には特にお勧めだ。

(文・写真=SPOOL

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