
2023年頃から普及し始め、魅せるPCを組みたい人に人気を集めている「ピラーレス」タイプのPCケース。しかし、内部が丸見えになるため、見栄え良く組み立てるのが難しそう、どんなデコレーションをすればいいのか分からないなど、ハードルの高さを感じている人も多いのではないだろうか。気になってはいるものの、使い方に不安があって手を出しにくいと考えている人のため、本記事ではピラーレスPCケースの使い方や組み立てのポイントなどを紹介する。
PCケースを変えれば見た目や雰囲気がガラッと変わる。2026年はさまざまなパーツが高騰しているため、自作欲を満たすためにPCケースの交換やデコレーションに挑戦してみてはいかがだろうか。
ピラーレスPCケースとは
2面以上のガラスパネルで内部を広く見せられる
ピラーレスPCケースとは、主にフロントパネルとサイドパネルに強化ガラスを採用し、その間のピラー(柱)をなくしたPCケースだ。従来型のPCケースではサイドパネルのみ強化ガラスということが多く、ほぼ真横からしか内部を見せられなかった。ピラーレスではフロントパネルも強化ガラスにし、ピラーをなくしたことで斜めからも見せやすくなっている。これによりデコレーションの幅が広がるのがメリットだ。
PCパーツはデザイン性を重視した製品もたくさんあるが、PCケースに収めると見えにくくなってしまう。立体的なヒートシンクも、トップのデザインしか見えないのではもったいない。ピラーレスPCケースでお気に入りのパーツをもっと堪能しよう。
ピラーが無いと言っても、フロントパネルとサイドパネルの境界ははっきりと分かる。これは構造上仕方ない部分だ。これを目立たないようにするため、両パネルを一体化し、境界を曲面にした製品もある。

CORSAIRのピラーレスPCケース「3500X Tempered Glass」。フロントパネルが強化ガラスのため、正面から背面が見えている。従来型のPCケースでは見えなかった部分だ。

ピラーレスPCケースのキモとなる、斜めからの外観。フロントパネルとサイドパネルの間にPCケースのフレームがないため、切れ目なく内部を見られる。

組み立てやアップグレードの作業をしやすいという副次的なメリットもある。フロントとサイドのパネルを外すと内部へアクセスしやすい。
デコレーションしてみよう
ライティング、画面表示、小物展示が基本
ピラーレスPCケースは工夫次第でさまざまな表現をすることが可能だ。しかし、できることが多いぶん、何から始めればよいか分からないという人もいるだろう。そこで、簡単に始められるデコレーションをいくつか紹介しよう。
RGB LEDによるライティング
ピラーレスPCケースでなくても、強化ガラス製のサイドパネルを搭載したPCケースならライティングでデコレーションするのは定番だ。しかし、ピラーレスPCケースならより広いアングルで見せられるため、工夫の余地が広がる。また、使用しているPCパーツが同じでも見え方が変わるため、PCケースを交換するだけでも新鮮に見える。
ライティングで使用するアイテムはマザーボード、メモリー、CPUクーラー、ファンが定番。RGB LEDは専用のコントローラーユニットやマザーボードのRGB機能を使うことで光り方を同期させられるため、思った通りの演出ができる。
ケースファンは少し注意が必要だ。ファンは風向の違いで通常のものの他にリバースファンもある。ライティングの見映えを優先して吸気方向で配置すべきファンを排気方向で取り付けてしまうと、PCの冷却性能が落ちてしまう場合もある。吸気用にはリバースファンを使うことで、冷却性能を損なうことなくライティングをきれいに見せられる。
リバースファンについてはこちらのページでも解説している。

フロント側からも見られるため、従来はあまり見えないメモリやCPUクーラーの側面も見やすい。
CPUクーラーとの組み合わせが鉄板
水冷CPUクーラーもピラーレスPCケースと相性が良い。元々強化ガラス製のサイドパネルを意識してLEDやディスプレイを搭載するモデルが人気だったが、近年は横や斜めからの見た目を意識したモデルが増えている。この組み合わせだけでもピラーレスPCケースの醍醐味を味わえる。

Thermaltakeの「MINECUBE 360 Ultra ARGB Sync」シリーズは、ポンプヘッドに付けるキューブ型のアタッチメントが付属している。4面に液晶パネルを搭載しており、斜めから見ても楽しい。

Cooler Masterの「MasterLiquid 360 Atmos II LCD」はポンプヘッド部が小さいため、メモリやマザーボードのCPUソケット周りを見せやすい。ポンプヘッドから伸びるケーブルが少なく、すっきりしているのもよい。

タワー型CPUクーラーは、サイドから見るとトップパネルしか見えない。DeepCoolの「AK700 DIGITAL NYX」のようにトップパネルを活用したモデルもあるが、ピラーレスPCケースならタワーの構造が見えてより存在を感じられる。
PCケース内に展示台を作る
モデルによって異なるが、ピラーレスPCケースはフロント寄りにスペースが空いていることも多い。ここを展示用スペースにすることで、できることの幅が増える。

PCケースのフロント部にアクリル台を入れ、展示スペースを作った。広い方向から見られるため、フィギュア等の立体物を飾るのに適している。

対応するPCケースなら、CORSAIRの「XENEON EDGE」をPCケース内に取り付けることもできる。映像ケーブルをPCのバックパネルに接続する必要があるため、CORSAIRの対応リスト以外のPCケースを使う場合はケーブルを通せるか確認が必要だ。
組み立ては難しくない
PCケースの配線ガイドを活用しよう
ピラーレスPCケースは内部を見せるデザインのため、ケーブル配線も重要。慣れていない人は、うまくできないのではないかと不安になることもあるのではないだろうか。しかし、ピラーレスPCケースは裏面配線用のスペースが広く取られている、ケーブルを通すルートが用意されているなど、配線しやすい工夫が施されていることが多い。一般的なPCケースと比べて難しいということはなく、むしろ組み立てやすい。

ピラーレスPCケースはケーブルをできるだけ隠すよう設計されている。そのため裏面配線用のスペースは広めに取られており、写真のようにきちんとまとめる前の状態でもサイドパネルは問題なく閉じられることが多い。

ピラーレスPCケースは随所にケーブルホールがあることも特徴的。ケーブルをマザーボード裏に隠すため、最短ルートで通せるようになっている。

今回使用したCPU、マザーボード、メモリ、SSD、グラフィックボードは既存の自作PCから流用した。ホワイトのPCケースに収めたが、マザーボードとグラフィックボードがブラック寄りのカラーでもワンポイントになるため違和感はない。

一通り組み立てたイメージ。特に配線を工夫したわけではないが、ケーブルを裏面に集めるよう意識しただけで表側はすっきりさせられた。
各社から登場しているピラーレスPCケース
microATX対応の製品も増えている
ピラーレスPCケースは各社から続々と登場しており、選択肢は多い。microATX対応のミニタワーも増えてきている。製品を紹介しよう。まずはATXだ。
一口にピラーレスPCケースと言っても、特徴はモデルによって大きく異なる。電源ユニットを下部とマザーボード裏のどちらに取り付けるか、サイドファンの取り付け角度、曲面パネルの採用など、確認するポイントは多い。またPCケース付属のアドレサブルRGBファンは単体で購入するよりもかなり割安。付属する数も確認しよう。
CG580 4F V2(DeepCool)

| 製品名 | CG580 4F V2 | CG580 4F V2 WH |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミドルタワー | |
| 対応マザーボード | ATX、microATX、Mini-ITX 背面コネクタ設計:ATX、microATX |
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| 搭載可能ファン | 上面:140mm×2または120mm×3 側面:120mm×3 背面:140/120mm×1 電源カバー:120mm×2 底面:120mm×1(3.5インチドライブ非搭載時) |
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| 付属ファン | 側面:120mm アドレサブルRGBリバースファン×3 背面:120mm アドレサブルRGBファン×1 |
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| 外形寸法 | 235(W)×501(H)×437(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
アドレサブルRGBファンを4基標準搭載したモデル。電源ユニットは下部のシュラウド内に収めるタイプだ。
H9 Flow RGB+(NZXT)

| 製品名 | NZXT H9 Flow RGB+ Black | NZXT H9 Flow RGB+ White |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミドルタワー | |
| 対応マザーボード | E-ATX(最大277mm)、ATX、microATX、Mini-ITX 背面コネクタ設計:ATX、microATX |
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| 搭載可能ファン | 上面:140/120mm×3 前面右:140/120mm×3 背面:120mm×1 底面:140/120mm×3 |
|
| 付属ファン | 前面右:140mmファン×3(F420 RGB Core) 背面:120mmファン×1(F120 RGB Case Version) 底面:140mmファン×3(F420 RGB Core) |
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| 外形寸法 | 315(W)×506(H)×481(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
サイドとボトムに120mm×3のシングルフレームファンを搭載したモデル。サイドファンが斜めに配置されているのが特徴的。電源ユニットはマザーボード背面に配置する。
View 390 Air(Thermaltake)

| 製品名 | View 390 Air Black | View 390 Air Snow |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミドルタワー | |
| 対応マザーボード | ATX、microATX、Mini-ITX 背面コネクタ設計:ATX、microATX |
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| 搭載可能ファン | 前面:200/140mm×2または120mm×3 右側面:120mm×3 背面:120mm×2 底面:120mm×3 |
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| 付属ファン | 背面:120mmファン×2(500~2000rpm, 25.8dBA) | |
| 外形寸法 | 287(W)×503(H)×485(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
フロントではなく、トップとサイドを一体型の強化ガラスパネルにしたモデル。一般的なピラーレスPCケースとは違った角度で内部の装飾を楽しめる。
Vision 330 CR ARGB(Thermaltake)

| 製品名 | Vision 330 CR ARGB Black | Vision 330 CR ARGB Snow |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミドルタワー | |
| 対応マザーボード | ATX、microATX、Mini-ITX 背面コネクタ設計:ATX、microATX |
|
| 搭載可能ファン | 上面:140mm×2または120mm×3 右側面:120mm×2 背面:140/120mm×1 底面:140mm×2または120mm×3 |
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| 付属ファン | 右側面:120mm Infinity ARGB リバース PWMファン×2(1500rpm, 24.9dBA) 背面:120mm Infinity ARGB PWMファン×1(1500rpm, 21.8dBA) 底面:120mm Infinity ARGB リバース PWMファン×3(1500rpm, 24.9dBA) |
|
| 外形寸法 | 295(W)×388(H)×479.4(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
曲面強化ガラスパネルを採用したモデル。フロント/サイドパネルはヒンジで横に開くため、内部へアクセスしやすい。
microATXからも選べる
microATX対応のピラーレスPCケースは、ATX対応と比べると種類は少ない。しかしPCケースメーカー各社から製品が登場しており、選択肢の幅は十分だ。
Elite 490(Cooler Master)

| 製品名 | Elite 490 | Elite 490 White |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミニタワー | |
| 対応マザーボード | microATX、Mini-ITX | |
| 搭載可能ファン | 上面:140mm×2または120mm×3 側面:120mm×2 背面:120mm×1 底面:120mm×3 |
|
| 付属ファン | 側面:120mm アドレサブルRGB リバースファン×2 背面:120mm アドレサブルRGBファン×1 |
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| 外形寸法 | 218(W)×414(H)×434(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
電源ユニットを下部に配置したスタンダードなデザインのモデル。下部はメッシュ仕様になっており、下から上に抜けるエアフロー設計だ。
CG330 3F(DeepCool)

| 製品名 | CG330 3F | CG330 3F WH |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミニタワー | |
| 対応マザーボード | microATX、Mini-ITX 背面コネクタ設計:microATX |
|
| 搭載可能ファン | 上面:140mm×2または120mm×3 側面:140/120mm×2 背面:120mm×1 底面:120mm×3 |
|
| 付属ファン | 側面:120mm アドレサブルRGBリバースファン×2 背面:120mm アドレサブルRGBファン×1 |
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| 外形寸法 | 285(W)×368(H)×420(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
電源ユニットをマザーボード背面に搭載するデュアルチャンバー仕様のモデル。高さは368mmと抑えられている。
The Tower 300(Thermaltake)

| 製品名 | The Tower 300 Black | The Tower 300 Snow |
|---|---|---|
| ケースタイプ | ミニタワー | |
| 対応マザーボード | microATX、Mini-ITX | |
| 搭載可能ファン | 上面:140/120mm×2 右側面:140/120mm×3 背面:140/120mm×2 電源カバー:140/120mm×1 |
|
| 付属ファン | 上面:140mmファン×2(CT140) | |
| 外形寸法 | 342(W)×551(H)×281(D) mm | |
| カラー | ブラック | ホワイト |
八角形のデザインが特徴的なモデル。一般的なピラーレスPCケースとは異なるが、ユニークな外観と広い内部ビューが得られる。8色とカラーバリエーションも豊富だ。
CPUクーラー選びもポイント
ライティングがもっと楽しくなる
ピラーレスPCケースではCPUクーラーがよく見えるようになるため、見た目で選ぶメリットが大きい。組み合わせるお薦めの製品を見ていこう。
NAUTILUS 360 RS ARGB(CORSAIR)

| 製品名 | NAUTILUS 360 RS ARGB | NAUTILUS 360 RS ARGB White |
|---|---|---|
| ファン | 120mm アドレサブルRGBファン×3 (RS120 ARGB) |
120mm アドレサブルRGBファン×3 (RS120 ARGB White) |
| ファン回転数 | 0~2,100rpm ±10% | |
| ノイズレベル | 10~36dbA | |
| ラジエーターサイズ | 396×120×27mm | |
| 対応CPUソケット | Intel:LGA1851/1700 AMD:AM5/AM4 |
|
| カラー | ブラック | ホワイト |
シンプルな一体型水冷CPUクーラー。ファンとポンプヘッドにアドレサブルRGB LEDを搭載しており、ライティング効果を楽しめる。マザーボードのRGBコントロール機能を使い、同社のiCUE LINKには対応していないが、価格は抑えられている。他に240mmラジエーターのモデルもある。
Kraken Elite 420 RGB v2(NZXT)

| 製品名 | Kraken Elite 420 RGB v2 Black | Kraken Elite 420 RGB v2 White |
|---|---|---|
| ファン | 140mmファン×3(F420 RGB Core、PWM対応) | |
| ファン回転数 | 500~2,000 ±200rpm | |
| ノイズレベル | 34.5dbA(ファン) | |
| ラジエーターサイズ | 457×140×27mm | |
| 対応CPUソケット | Intel:LGA1851/1700/1200/1156/1155/1151/1150 AMD:AM5/AM4 |
|
| カラー | ブラック | ホワイト |
420mmラジエーターを搭載した大型モデル。ポンプヘッドに2.72インチの液晶ディスプレイを備えている。シングルフレームファンが付属しているため、取り付けは簡単。他に240mm、280mm、360mmラジエーターのモデルもある。
TH360 V3 Ultra ARGB Sync(Thermaltake)

| 製品名 | TH360 V3 Ultra ARGB Sync Black | TH360 V3 Ultra ARGB Sync Snow |
|---|---|---|
| ファン | 120mm アドレサブルRGB LEDファン×3 | |
| ファン回転数 | 500~2,500rpm | |
| ノイズレベル | 37.8dBA | |
| ラジエーターサイズ | 397×120×27mm | |
| 対応CPUソケット | Intel:LGA2066/2011-3/2011/1851/1700/1366/1200/1156/1155/1151/1150 AMD:AM5/AM4 |
|
| カラー | ブラック | ホワイト |
ポンプヘッドに3.95インチの大型液晶を搭載したモデル。ファンの側面からもライティング効果を見られるため、ピラーレスPCケースに映える。こちらもファンはシングルフレーム仕様だ。
ピラーレスPCケースで愛機の魅力を再発見
パーツ選びの新しい軸にもなる
PCは一度組んだらなかなか組み替えないという人も多い。しかし、ピラーレスPCケースに交換することでこれまでとは違った角度からパーツが見えるようになり、文字通り新しい面を再発見できる。PCをインテリアの一部にするピラーレスPCケースを試してみてはいかがだろうか。
(文・写真=株式会社アスク)
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