製品レポート

自作PCパーツごとの役割を解説!構成部品一覧も丁寧に説明

パソコンがどんなパーツで構成されているか、それぞれのパーツがどんな役割なのかをご紹介

普段当たり前のようにパソコンを使っていても、パソコンがどんなパーツで構成されているのか、それぞれのパーツがどんな役割を担っているのかは分からないという人は多いと思います。パソコンを自作する人でも、実は詳しく知らないということもあるのではないでしょうか。今回は、そうした人のために改めて各パーツの役割をご紹介します。

自作PCパーツとは?初心者向けパーツ解説

CPUの役割:パソコン全体の性能を決める

CPUはサイズこそ非常に小さいですが、パソコンの中心とも言える重要なパーツ

CPUはサイズこそ非常に小さいですが、パソコンの中心とも言える重要なパーツです。CPUの速さがパソコンの速さに直結します。

人体で例えると頭脳

CPUは「Central Processing Unit」の略で、「シーピーユー」と読みます。パソコン内で行われる処理の多くを担当し、WindowsなどのOSも、OS上で動作するアプリも、大部分はCPUが処理します。CPUが速ければアプリの起動が速くなる、画像処理が早く終わるなど、待ち時間が短くなります。

CPUにはほかの各パーツに命令を出す役割もあるため、人の頭脳に例えられます。もちろんCPUだけで全てが決まるわけではありませんが、一般的にパソコンが高性能、速いと言う場合は、上位モデルの高速なCPUを搭載していると考えてよいでしょう。

CPUの速さにはさまざまな種類があり、性能は一定時間で行った仕事量で測れます。人が走った距離に例えてみましょう。速く走れれば同じ時間で走れた距離は伸びます。速く走るには身体能力を上げる方法と走り方を改善する方法があり、新しい世代のCPUはそのどちらか、または両方で高速化を実現します。人数を増やすという方法もあり、2人以上で同時に走れば合計の走行距離は飛躍的に増えます。

この例えでの身体能力は「動作クロック」、走り方は「設計(世代)」、人数は「コア数」を表しています。動作クロックは高いほど、設計は新しいほど、コア数は多いほど高性能です。

マザーボードの役割:パーツ同士をつなぐ

マザーボードは端子やスロットをたくさん備え、他のパーツを取り付けられるようになっています

マザーボードは端子やスロットをたくさん備え、他のパーツを取り付けられるようになっています。CPUもマザーボードに取り付けます。

人体で例えると体

マザーボードは各パーツを取り付ける基盤となるパーツです。マザーボードそのものもさまざまな機能を備えていますが、CPUやメモリー、拡張ボードなどを取り付け、使えるようにするのが主な役割と言ってよいでしょう。人体で例えると、道具を使うための手足、体になります。

反対に言うと、CPUやメモリーなどPCパーツの多くはマザーボードによって使えるかどうかが決まります。使えたとしても、パーツがきちんと性能を発揮できるかもマザーボードの種類に影響されます。マザーボード自体は基本的にパソコンの速度に影響しませんが、間接的にパソコンの性能を左右するパーツであるとも言えます。

マザーボードには組み合わせるPCケースによってさまざまなサイズがあり、マザーボードの選択によってパソコンのおおまかなサイズが決まるという側面もあります。

ストレージの役割:データを保存する

SSD(上)とHDD(下)は見た目が大きく異なりますが、同じ役割を持ったパーツ

SSD(上)とHDD(下)は見た目が大きく異なりますが、同じ役割を持ったパーツです。現在はSSDの方がよく使われています。

長期間保存しておく本棚のようなもの

ストレージという言葉はデータの保管場所を表し、特定のPCパーツを指す言葉ではありません。一般的に、パソコン内部で使われるストレージはHDD(Hard Disk Drive、ハードディスク)とSSD(Solid State Drive、エスエスディー)の2種類です。

人体で例えると記憶なので脳になりますが、CPUや後述するメモリーとの区別が難しくなるため、ここでは机と本棚に例えましょう。本はできるだけ机の上に置いてあった方が便利ですが、スペースには限りがあるため置き過ぎるとあふれてしまいます。そこで、すぐに使わない本は本棚に入れておきます。机の上からはなくなりますが、必要な時には取り出せます。この時の本棚がストレージです。

HDDは大容量で容量あたりの価格が安いですが、読み書き速度が低いのが弱点です。SSDは読み書き速度は高いものの容量ではHDDにかなわず、容量あたりの価格も高めです。パソコンでは速度を重視してSSDを使うことが多く、HDDは保存しておきたいデータが多い人が2台目のストレージとして使うものになっています。

メモリーの役割:データの一時置き場となる

メモリーはストレージより高速な読み書き速度を生かしてデータの一時置き場として利用します

メモリーはストレージより高速な読み書き速度を生かしてデータの一時置き場として利用します。容量が足りないと全体の処理が遅くなる場合もあります。

すぐに使うものを置く机のようなもの

メモリーはデータを一時的に保存しておくところです。データの置き場所という意味ではストレージと同じですが、ストレージが長期で保管するのに対してメモリーは一時的な保存場所です。

使い方は、ストレージの本棚に対してメモリーは机の上です。CPUが次に使うだろうというデータを収めておきます。本を本棚から机に移動させておくことで、すぐに使える状態にするというイメージです。使い終わったら本棚(ストレージ)に戻します。

一般的にメモリーはストレージよりも高速なので、メモリーを利用することで頻繁に使うデータに速くアクセスすることができます。その代わりパソコンの電源を落とすとメモリーに保存したデータは全て消えてしまいます。そのためデータを保管するにはストレージが必要になるのです。

グラフィックボードの役割:映像などを扱う

グラフィックボードの本来の役割はディスプレイに映像を出力すること

グラフィックボードの本来の役割はディスプレイに映像を出力することです。しかし、現在は他の使い方も増えています。

3Dグラフィックの描画計算も担当

グラフィックボードは映像を出力する機能を備えており、ディスプレイにつないでパソコンの画面を映すためのパーツです。現在は他の機能で注目されがちですが、おおもとの機能は映像出力になります。グラフィックボードの機能はCPUが内蔵している場合もあり、その場合は別途グラフィックボードを搭載する必要はありません。

映像用の端子には種類があり、どの端子をいくつ使えるかもグラフィックボードで決まります。CPUのグラフィック機能を使う場合はマザーボード次第になります。通常マザーボードの映像端子は1個か2個なので、ディスプレイをたくさんつないで使うためにグラフィックボードを搭載するという場合もあります。

映像出力以外の機能としては、3Dグラフィックの計算があります。最新の3Dゲームを高解像度でなめらかに動かすには高性能なグラフィック機能が必要で、上位モデルのグラフィックボードはCPUが内蔵するグラフィック機能よりもはるかに高い性能を備えています。3Dゲームを動かさないのであれば、多くの場合CPU内蔵のグラフィック機能で十分です。

PCケースの役割:見た目と拡張性を決める

PCケースはパソコンの見た目を決めるパーツ

PCケースはパソコンの見た目を決めるパーツです。同時に、パソコンに搭載できるパーツの種類や大きさも決まります。

PCケースはパソコンの服

PCケースは各PCパーツを収める箱で、収納と外装の機能を備えています。人に例えると身に付ける服のようなものと言えるでしょう。

人は服や上着で見た目が変わりますし、ポケットの大きさや数で持ち歩ける物の量が決まります。同様に、PCケースは外観を決める大きな要素となり、内部構造によって搭載できるPCパーツの種類や数が決まります。

洋服でも素材によって熱を閉じ込めるものと通すものがあるように、PCケースも構造によって熱がこもりやすい、発散しやすいなどの特性があります。マザーボードと同様にパソコンの性能には直接影響しませんが、それ以外の特性を決めるパーツと言えます。

各パーツの役割が分かれば欲しいスペックも分かる

パソコンパーツの役割をおおまかに見てきました。図にまとめてみましょう。

ほとんどのパーツはマザーボードにつなぎ、マザーボードはPCにケースに取り付けます。

パソコンパーツはそれぞれ役割があり、いずれもパソコンが動作する上でなくてはならないものです。ほとんどのパーツはマザーボードにつなぎ、マザーボードはPCにケースに取り付けます。

サイズや余裕もスペックの1つ

ひとくちに「高性能なパソコンが欲しい」と言っても、編集した動画の書き出しを速くしたい、3Dゲームを快適にプレイしたい、もっと多くのデータを保存したいなど、実際は人によって求めるものが異なります。目的によって重要なパーツも変わるため、各パーツの役割を知ることは自分のニーズに合ったパソコンを知るための第一歩となります。

パソコンのスペックには性能だけではなく、サイズ感や拡張性も含まれます。メーカー製の完成品パソコンはパーツの増設や交換が難しいこともあるため、目的がはっきりしているのであれば、自作パソコンに挑戦してみるのもお勧めです。

(文・写真=SPOOL

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