製品レポート

冷却性能の高さが光る万能なフルタワー「T100-BK」

冷却性能の高さが光る万能なフルタワーPCケース

3R SYSTEMの「T100-BK」は、冷却性能の高さが魅力のフルタワーケースだ。冷却性能の高さをうたうPCケースは、単に複数の冷却ファンを搭載しているだけという場合が多い。T100-BKは、大量の空気を送るだけではなく、流れを良くするといった冷却効率の改善にも着目。大量の空気がスムーズにPCケース内部を流れるように工夫を盛り込んでいる。


3R SYSTEM T100-BK 製品写真

対応フォームファクター ATX、microATX
シャーシの材質 スチール
外形寸法 幅220×奥行き512×高さ535mm
重量 8kg
ドライブベイ 5インチ×2
3.5インチ×1
2.5/3.5インチ内部×8
拡張スロット 8
ファン 前面12cm角×2
背面12cm角×1
上面12cm角×2
底面12cm角×1
前面端子 USB 3.0×2
USB 2.0×2
音声入出力
SD/MMC/MS共用カードスロット×1


3R SYSTEM T100-BK 本体背面

熱気がこもりがちな拡張スロットは、ブラケットがメッシュ仕様だ。ここでも通気性を考慮している。

3R SYSTEM T100-BK 本体側面およびケース内部

マザーボードベースには、裏面配線用の穴が多数開いている。電源ユニットの付近は穴が大きくなっていて、太いメインケーブルも楽に通せた。

3R SYSTEM T100-BK 付属品

T100-BKの付属品。ねじやワッシャー、マニュアルなどが付く。中央上はCPU用+12V(8ピン)の延長ケーブルだ。電源のケーブルが短い場合に便利。右上の樹脂製パーツは、拡張ボードを支えるアタッチメント。内部ベイに固定して使う。

大量の空気を内部にくまなく送れる

T100-BKは前面に2つ、上面に2つ、背面に1つ、底面に1つと合計6つもの12cm角ファンを備える。ファンの数は冷却性能の良さをうたうモデルの中でも多い。前面と底面の3つのファンで吸気して、背面と上面の3つのファンで排出する。大量の空気をバランスよく吸排気し、ケース内部にくまなく行きわたらせる仕組みだ。

PCケース内部の空気の流れは、配線によって大きく変わる。特に、電源ユニットにつながるケーブルは長い上、本数が多い。上手に整理しないと、風の通り道が塞がれてエアフローを妨げる。冷却ファンが多くても冷却効率が低下しては意味が無い。その点、T100-BKは余ったケーブルを裏面に引き出し、束ねられる構造だ。ケーブルをまとめる固定具が付いており、単に裏面にケーブルを配線できるだけの一般的なPCケースとは一線を画す。

固定具は、マザーボードベースにある裏面配線用の穴に沿って付く。複数のケーブルを束ねられるよう、幅が広いのも特徴だ。試しに、余ったSerial ATAケーブルとペリフェラルケーブルを端子と一緒に束ねたところ、余裕を持って固定できた。端子ごと留められるため、右側面パネルを閉めるときに挟んでしまうことも無かった。


3R SYSTEM T100-BK 搭載ファン

前面と底面から吸気し、上面と背面から排出する。ファンは全部で6つ。トップファンを除き青色LEDを搭載する。

3R SYSTEM T100-BK ケーブル固定具

余ったケーブルを裏面配線したところ。白い樹脂製のパーツが固定具だ。左右方向と上下方向にまとめられる。

3R SYSTEM T100-BK 幅が大きいケーブル固定具

固定具は幅が大きい。ケーブルと一緒に端子もまとめておける。

3R SYSTEM T100-BK パーツを組み込んだ状態

PCパーツを組み込んだ状態。きれいに裏面配線すれば、風の通り道を塞ぐように内部を横切るケーブルは無くなる。グラフィックボードは標準で300mmのボード長のものを搭載可能。後述のとおり内部ベイ上段を取り外すことで430mmまで対応できる。

静音への配慮も欠かさない

T100-BKは、冷却性能を追求しながら騒音への配慮も忘れていない。内部ベイは8つあり、いずれもマウンターを使って固定する。マウンターは2.5/3.5インチドライブ共用でいずれもねじで固定する。このうち、HDDを留める板はマウンター本体とばねでつながっており、振動をシャシーに伝えにくい構造になっている。このベイは、2つのユニットに分かれている。上段のユニットごと取り外せば、長さが430mmまでの拡張ボードに対応する。

5インチベイは2つある。シャシーにつまみ部分が大きな手回しねじが付属。ドライバーを使わずに、しっかりとねじ留めできる。固定具がゆるく、動作時の振動がシャシーに伝わる心配は無い。

3R SYSTEM T100-BK 内部ベイ用のマウンター

内部ベイ用のマウンター。振動が騒音の原因になりやすいHDDは、ばねで浮かせるように固定する。SSDなどの2.5インチドライブは底部の板に直接ねじ留めする。

3R SYSTEM T100-BK 内部ベイ上段は取り外し可能

内部ベイの上段は、樹脂製のストッパーを外して手前に引くと外れる。下段のベイには長い拡張ボードを支える樹脂製のアタッチメントを付けられる。

3R SYSTEM T100-BK 5インチベイ固定用の手回しネジ

5インチベイを固定する手回しねじ。位置を合わせたら押し込みながら回す。手回し部分の径が大きく締めやすい。

3R SYSTEM T100-BK フロントIOはUSB3.0対応

端子類は上面の前方にある。左右にスライドするスイッチは、冷却ファンのコントローラーだ。停止、低速回転、高速回転の3段階で調整可能。端子はUSB 3.0とUSB 2.0が2つずつ、音声入出力がある。SD/MMC/MS用カードスロットも備える。


通気性を重視しているため、前面や上面、背面にメッシュを多用する。内部から漏れる騒音が心配だが、T100-BKは上面に3系統のファンコントローラーを備え、騒音源であるファンの回転数を「停止」「低速回転」「高速回転」の3段階に調整できる。

付属のファンは高速回転では騒音が内部から漏れて聞こえたが、低速回転では静か。CPUクーラーやグラフィックボードの騒音にかき消されて聞き分けられない程度だった。

回転数を落とした場合に十分に冷却できているか検証した。CPUにCore i7-2600K(3.4GHz)、CPUクーラーにCNPS9900 MAX、グラフィックスにRADEON HD6950搭載ボードを使用し、ベンチマーク「OCCT Perestroika 4.0.0」(以下OCCT)で負荷をかけた。この時、ケース前方下部の吸気部、ケース後方上部の排気部を温度計で、CPUをOCCTの温度モニターで調べた。

室温23℃でケースファンを低速回転で運用した場合、CPU温度は70℃以下に抑えられた。ケースファンを高速回転させれば、より冷却能力を高められる。ただ、騒音とのバランスを考慮すれば低速回転で使うのがお薦めだ。


3R SYSTEM T100-BK 背面上部付近の温度変化

背面上部付近の温度変化。ファンの回転数に比例して温度も下がった。しっかり排気できているのが分かる。

3R SYSTEM T100-BK 内部ベイ付近の温度変化

3.5インチ内部ベイ付近の温度変化。こちらもファンの回転数に比例して温度が変化した。

3R SYSTEM T100-BK CPU温度の計測結果

CPU温度の計測結果。ファンの回転数を高速にすると、低速化展示よりも負荷時の温度が4℃下がった。冷却能力は高い。

T100-BKは、PCケースが求められる基本的な機能もおろそかにしていない。シャシーは随所に折り返し加工を施しており、剛性が高い。上面にリムーバブルベイを、前面にUSB 3.0端子を2つも搭載。最近のPCケースのトレンドもしっかり押さえており、使い勝手の良さは申し分ない。さらに、側面パネルに透明なアクリル板を採用し、内部を確認できるようにするなど、使う楽しみも備えたモデルだ。

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(文・写真=SPOOL

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●3R SYSTEM社 概要
韓国、中国を拠点に自作用PC ケースを開発、製造販売しております。ユーザーが求めやすい低価格なPC ケースを中心に販売しており、韓国では、No1 のシェアを獲得しています。日本市場へも同様に低価格で機能、デザインにこだわった製品を提供し続けてまいります。
メーカーウェブサイト:http://www.3rsys.com/

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