採用事例

Matterport デジタルツイン 東急建設株式会社

プロジェクトDX:2024年、DXが鍵

デジタルツインによって実現する東急建設様のDX

デジタルツインによって実現する東急建設様のDX

左から、東急建設 中林様、和田様、アスク 佃、Matterport 松盛様

2024年、DXが鍵

2024年4月より時間外労働に罰則付きの上限規制が施行されることに伴い、建設業では、業務のより一層の効率化を図る必要に迫られています。東急建設様では、Matterportの導入に対し、3つのメリットをご評価いただきました。

①より効率的に行えるスキャン業務

圧倒的なスキャン速度に加えて、写真画像・点群データを同時に取得することができるため業務の効率化が可能となりました。

②いつどこにいても、誰でも簡単に

現況調査や出来形管理業務における計測、図面との照合などを省力化し、技術者が今まで以上に付加価値の高いコア業務に集中できるようになりました。

③施主様へのご提案

Matterportのデジタルツインの威力を目の当たりにした施主様からも大きな反響があり、お客様との合意形成・情報共有の円滑化による提案力の強化を実現しています。

本記事では、そんなMatterportを使った東急建設様の取り組みに迫ります。

すべてがDXになる

ランチにファミレスに行けば、タブレットで注文し、ロボットが配膳し、休日に服を買いに行けば、セルフレジで、キャッシュレスでお会計をします。もちろん、建設業界でも例に漏れません。今、あらゆる業界で上記のようなDX「デジタル変革」が加速しており、建設業界においても「建設DX」の必要性が叫ばれています。国交省が「i-Construction」を、民間では「建設RXコンソーシアム」が進んでいます。

DXは、「目的」ではなく、「手段」であり、株式会社アスク 法人事業本部では、DXを推進してお客様の「課題」を解決します。先行するグローバル市場で急成長中の、最先端テクノロジーを活用した「Matterport」のようなソリューションのトライアルから導入、活用支援までアスクワンストップでご提供しています。

恐るべき双子たち

デジタルツインは、デジタルの双子という意味で、現実をデジタル上に再現することを指します。現実をデジタルに再現することは、単に現実の偽物をつくることではなく、リアルをも越えた利点があります。現実世界の移動や時間の制約を突破し、いつどこにいても誰でも、その現実へデジタル上でアクセスした上、様々な検討やシミュレーションをその場で実行できるのです。あらゆる業務にデジタルが入り込むこれからの時代に、未来の建設業に、必須のDXです。

Matterportのデジタルツイン

「Matterport」は、デジタルツインのプラットフォーム(基盤)の一つです。

空間を素早く簡単にスキャンすると、Matterportのクラウド上で自動的にデジタル空間を作り上げます。Matterportのデジタル空間は、お手もとのWEBブラウザを搭載したスマートフォン、タブレット、パソコンなどのあらゆるデバイス、最先端のVRデバイスでいつどこでもアクセスすることができます。空間の中を自在に歩き回ったり、外から自由に飛び回って、コメントを残したり、計測したり、コミュニケーションを残すことさえできます。

Matterportが作り上げるデジタル空間

あらゆるデバイスでいつどこでもアクセス可能

東急建設様のDX推進

東急建設 中林氏、和田氏

左から東急建設 中林氏、東急建設 和田氏

東急建設株式会社(以下、東急建設)様は、土木・建築の建設事業を主軸に事業展開しており、長期経営計画において「デジタル技術」と「人材」を競争優位の源泉と位置付け、ICT活用によるDX推進を先駆的に取り組んでいる会社です。

常に最新技術を追求されており、今回は、本社土木部門のICT推進グループでMatterportをご導入頂きました。Matterportの活用は、国内の土木分野における先進的な事例です。迅速な撮影・高精度な画像、計測可能な上、誰でも簡単にブラウザで操作できる圧倒的な利便性を目の当たりにし、この新しい技術が東急建設様の複数の現場で続々と採用され始めています。

東急建設様が見る未来の建設業

1946年創業の東急建設様は、渋谷や東急線沿線の開発で培ったまちづくりのノウハウを活かし、土木・建築の建設事業を主軸に国際事業、不動産事業など幅広い事業を展開しています。2021年3月に新たな企業ビジョン「VISION2030」を公表し、その達成に向けた長期経営計画では、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、DX推進およびデジタル人材育成にも積極的に取り組んでいます。

「コア事業」の一角である国内土木事業においてDX推進をリードする東急建設 土木事業本部 技術統括部 土木設計部 ICT推進グループ 課長代理の和田 勝利氏は、自身の役割を次のように説明します。

東急建設 和田 勝利氏

東急建設 土木事業本部 技術統括部 土木設計部 ICT推進グループ 課長代理 和田勝利氏

「本社土木の部門で、ICT技術を全現場に広げ、BIM/CIMのプラットフォーム化を進めるために、現場のサポートや新しい技術の試行などの業務を行っています。多忙な現場に、使い慣れた技術から新しい技術への切り替えを促すのは容易ではありませんが、『2024年問題』を目前に、より一層の業務効率化を迫られる中、選び抜かれた新技術に関する情報提供や、各現場でデモを行うなど有益なサポートが支持され、新技術の導入に前向きな現場は着実に増えています。」

また、技術者の立場で大規模な現場の耐震補強工事などを管轄する 東急建設 東日本土木支店 土木部 監理技術者の中林 拓真氏は、和田氏の取り組みを次のように評価しています。

東急建設 中林 拓真氏

東急建設 東日本土木支店 土木部 監理技術者 中林拓真氏

「新技術を使うニーズはありましたが、導入して現場へ定着させるのは簡単では無かったです。しかし、2024年問題を乗り越えるために、技術者としてイノベーションを生み出すICT技術の導入は不可欠でした。土木部門では、ICT推進グループが、新しい技術を分かりやすい資料で発信するとともに、現場まで出向いて紹介してくれるので、現場の意識改革が着実に進んでいます。」

Matterportの衝撃

東急建設の土木部門の現場では、360度カメラによる撮影と、地上型レーザースキャナー(TLS)による3Dデータ取得を併用していました。360度カメラは技術者以外の担当者も使用できましたが、レーザースキャナーによる3Dモデルを活用した断面図作成などの処理は、従来は専門技師が行う必要がありました。
和田氏がMatterportをアスクへ問い合わせたのは、上司の推薦がきっかけです。

「展示会で、建設DXソリューションを紹介していた株式会社アスク(Matterportの正規ディストリビューター)の紹介を頂きました。東急建設 土木本部の幅広い業務に『はまる』ICT機器を探していたところ、Matterport Pro3の話を聞き、『これだ』と直感しました。国内発売のタイミングでアスクさんへ問い合わせをし、現場でのデモをして頂きました。(和田氏)」

「アスクでは、導入支援として、積極的にトライアルやデモを行っており、和田様とのお打合せの中で、中林様が管轄する現場でのデモを実施することになりました。(アスク 佃)」

迅速な撮影、高精度な画像、現場をバーチャルに歩き回ることができるウォークスルー機能、立体的に俯瞰できるドールハウスビュー、計測もできるMatterportの威力を目の当たりにし、現場に衝撃が走りました。

その中でも、中林氏がさらに驚いたのはデジタルツインの空間内に、付箋を貼り付ける感覚で、説明書き、図面などの画像、動画、リンク、ファイルを追加できるタグ機能や、@マークで宛先の相手を指定して複数のユーザー間でのコメントやフィードバックの交換などのコミュニケーションができる注記(Notes)機能です。

「現況調査や出来形監理がリモートでも可能となり、現場への訪問回数の削減およびコミュニケーションの円滑化、手戻り防止による省力化を実現し、業務効率化に繋がります。想像以上に、画期的な製品だと衝撃を受けました。(中林氏)」

「最も期待していたのは、360度カメラとレーザースキャナーの機能を兼ね備え、1回のスキャンで写真画像と点群データ両方が取得できる点ですが、そのスキャンとデータ生成の速さに驚きました。写真および点群データはクラウドにアップロードすると全自動で合成され、デジタルツインの生成による省力化が期待でき、計測精度も申し分なかったのが導入の決め手です。(和田氏)」

Matterportの導入後、和田氏はICT推進グループ内でトンネルや水処理施設などの撮影・計測を試行し、説明資料を社内に展開しています。

1回のスキャンで写真画像と点群データ両方が取得可能

Matterport Pro3でスキャンしている様子(左)、タグ機能(右)

施設のドールハウス画像

施設のドールハウス画像(写真出典:東急建設)

広がるMatterport

東急建設の土木部門では、駅周辺開発などの現場でもMatterportの導入が進んでいます。
レーザースキャナーを使用していた頃は専門技師が行っていた撮影を、いまでは現場の担当者が行っています。円滑な移行の決め手は、和田氏のデモで目にあたりにしたシンプルな操作性、圧倒的なスピードです。LiDARを搭載したMatterport Pro3の1箇所あたりのスキャン時間は約20秒(!)、その後の処理も全自動で数時間程度で完了します。一方、通常のレーザースキャナーは1箇所のスキャン時間は5分で、その後の処理に約1日程度を要します。

Matterportでは、ウォークスルーやドールハウスビューが全自動で生成され、十分な精度で寸法計測もできます。操作が簡単で迅速に撮影できる360度カメラと、高い精度で点群データを取得するレーザースキャナーの長所の両方を併せ持つMatterportは続々と現場で導入され、採用が加速しています。

寸法測定機能

寸法測定機能(写真出典:東急建設)

これからのMatterport

監理技術者の中林氏は、Matterportの活用によるお客様への提案力強化に確かな手応えを感じており、更なる期待を寄せています。

「お客様にデモで撮影したMatterportのデジタルツインを見せたところ大変な反響がありました。Matterportで撮影しておけば、頻繁な立ち入りを避けたい現場へ来ていただく必要はありません。タグ機能でデジタルツイン上に図面などの資料をデジタルツインに埋め込んでおけば、ウェブブラウザを経由して、いつどこにいても誰でも簡単に確認や照合が完結できます。注記(Notes)機能を使えばデジタル空間上でお客様と非同期コミュケーションが行なえます。例えば、遠く離れた本部などへの報告やコミュニケーションにも活用でき、施主様の生産性向上にも繋がります。また、施主様側の担当者が替わっても、Matterportのデジタルツインがあれば引継ぎもスムーズでしょう。パワーポイントに画像を貼付しコメントを付けた資料などとは、作成の手間も直感的な分かり易さも各段に違うはずです(中林氏)」

そして、すべてがDXになる

東急建設の土木部門では「2024年問題」への対応だけではなく、長期経営計画において競争優位の源泉に位置付けられた「人材」が能力を発揮しイノベーションを創出し続けていくために、コア業務に集中するためのソリューションやアウトソーシングを常に精査しています。

Matterportは、取得したデータをBIMへ変換して納品するサービス「Matterport BIM File」も展開しており、日本国内でも導入が増えています。
和田氏・中林氏はそれぞれの立場から下記のようなコメントで、旺盛な探求心と想像力を覗かせます。

「ICT推進グループが現場に行かなくても、現場主導で導入が進む仕組みをつくりたい(和田氏)」

「将来的には、Matterportのカメラが自動で現場に行って撮影・計測までしてくれるようになれば面白い(中林氏)」

アスクでは、現場向けの個別セミナーや、導入支援、そしてお客様が語る未来を実現できるようなソリューションを展開しています。すべてがDXとなる日を夢見て、東急建設様のような建設業、製造業をはじめとした様々な業種のお客様と複数のプロジェクトを展開し、Matterportをはじめとするメーカーやパートナーの幅広い関係者との連携をしてきました。御社でも、DXを実現してみませんか?

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採用製品のご紹介

●東急建設株式会社 概要
東急建設は、1946年の創業以来、一貫して社会課題の解決に取り組んでまいりました。2021年3月に策定した企業ビジョン「VISION2030」では、気候変動やSDGsなどの社会課題解決に向け、建設事業をさらに深化させるとともに、新たな事業領域での価値創出に向けた探索を実行することとしております。これにより東急建設は、すべてのステークホルダーの皆様に対し、企業理念である「安心で快適な環境づくり」と、「3つの提供価値(脱炭素、廃棄物ゼロ、防災・減災)」を通じた心を揺さぶるサービスを提供するとともに、次世代に向けたサステナブルな社会の実現に挑戦し、企業価値を向上してまいります。
ウェブサイト:https://www.tokyu-cnst.co.jp/

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