製品レポート

Product Report

空冷最強か!? デュアルファン&ファンコンの超強力CPUクーラー「NiC」シリーズ

自作に慣れたユーザーほど、気温の上昇とともにPC内の温度が気になるものだ。負荷の高い処理を頻繁に実行していたり、常時オーバークロックで運用していたりするならなおさらだろう。

PC内部に熱がこもると、トラブルの発生する可能性がぐんと高くなる。特に深刻なのがCPUだ。CPUは温度が上がると、動作クロックを下げて低発熱で動かそうとする。PCは動作していても、パフォーマンスが著しく落ちてしまう可能性があるのだ。暑い夏本番を迎えてもPCの速さをキープしたいなら、CPUクーラーを交換がお薦めだ。

パーツショップや量販店のCPUクーラーを見ると、たくさんの製品が並んでいる。どれを選んだら良いか分からない、という人は多いだろう。そういう人にぴったりの製品が、今回紹介するThermaltakeの「NiC」シリーズだ。


NiC C4

NiC C4。赤いフレームの12cm角ファンがデザインを引き締める。

型番 CLP0607
対応ソケット LGA1150/2011/1155/1156/1366/775
Socket FM2/FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2
搭載ファン 12cm角×2
ファン回転数 1000~2000回転/分
騒音値 20~39.9dB(A)
ヒートパイプ 直径6mm×4
外形寸法 幅50×奥行き140×高さ160mm(ヒートシンクのみ)
重量 794g

NiC C4の主なスペック

ベース部分は銅製でめっき済み

ベース部分は銅製でめっき済み。腐食に強く長期間でも安心して使える。ヒートパイプは直径6mmで4本ある。

かつての人気クーラーを思わせるデザイン

「NiC C4」は12cm角ファンを2個搭載したサイドフロータイプのCPUクーラーだ。ヒートシンクを囲むように樹脂製のパーツが覆い、12cm角は両端に付いている。デザインはかつてThermaltakeが展開していた人気CPUクーラー「Frio」シリーズを思わせる。

両者の一番の違いは12cm角ファンの固定方法だ。Frioでは固定にゴムブッシュを使っていたのに対して、NiC C4は樹脂製パーツそのものがホルダーになっており、ここにファンをはめ込む。マザーボードにヒートシンクを固定する際にファンを一度外す必要があるが、ファンの着脱が楽なので作業が苦にならない。

ヒートシンクはマザーボードに固定したリテンションにねじ留めする。リテンションは、背面に取り付けるバックパネルと表面に取り付ける金具がある。パーツの点数は多いが、取り付け自体は簡単。マニュアルの通りに付ければ、迷うこともない。

付属品一式

付属品一式。IntelとAMDどちらのプラットフォームにも対応する。もちろん、最新の第4世代Core iシリーズが対応するLGA1150でも利用可能だ。

LGA1155対応ボードに取り付けた

LGA1155対応ボードに取り付けた。手順はまず、バックパネルとリテンション固定用の長いねじを用意する。

ソケット裏の金具にバックパネルをかぶせ、四隅の穴にねじを通す

ソケット裏の金具にバックパネルをかぶせ、四隅の穴にねじを通す。表から樹脂製の固定具を手回しで取り付け、ねじが抜けないように留める。

棒状の金具を取り出し、両端の穴にねじを通す

棒状の金具を取り出し、両端の穴にねじを通す。ねじと金具はナットで固定する。手回しでも取り付けられるが、ドライバーでしっかり固定しよう。

CPUの表面にグリスを塗ったら、CPUクーラーを上に置く

CPUの表面にグリスを塗ったら、CPUクーラーを上に置く。固定する前に両端のファンを外す。PCケースにマザーボードを付けた状態で作業する場合は、あらかじめファンを外しておこう。

固定用のプレートをベース部分の上に載せ、両端に付いているねじを締めていく

固定用のプレートをベース部分の上に載せ、両端に付いているねじを締めていく。2本のねじを交互に少しずつ回していくと傾きにくい。

フレームの内側にファンを抜けにくくするツメが付いている

フレームの内側にファンを抜けにくくするツメが付いている。ファンを付ける面はフィンが曲面だ。これが空気抵抗を減らし、放熱散面積を増やす。

羽根のダブルカーブで風量がアップ

2個の冷却ファンは、Thermaltake社が新たに設計した「ダブルカーブファン」と呼ばれるタイプだ。7枚の羽根はそれぞれブレードが波を打ったような形状。2つの曲面に分けることで従来のファンに比べて風量を38%もアップしている。風量が多くなったため、低回転でも十分なエアフローが確保できるのがメリットだ。

2個のファンは電源ケーブルがつながっている。給電用にマザーボードに接続する端子は1個で済む。電源ケーブルは分岐しており、先にはファンの回転数を調整するつまみが付いている。つまみを回すと2個のファンの回転数が1000〜2000回転/分の間でリニアに変わる。

PCに取り付けて動かした。NiC C4と背面ファンの間に手を入れたところ、風量はかなりのもの。他の製品だと、風が流れるのが分かるという程度だが、本製品では手に風が当たる感覚。扇風機に手をかざしているように感じられた。


冷却ファン

冷却ファン。左が吸気側、右が排気側だ。1個の3ピン端子からケーブルが分岐し、2個のファンが動作する。

新設計されたという、ダブルカーブファンの羽根

新設計されたという、ダブルカーブファンの羽根。2枚の羽根が連結したような作りで、風量が従来モデルよりも38%も増しているという。

ダブルカーブファンと従来ファンの風量比較

ダブルカーブファンと従来ファンの風量比較。回転数を最も落とした状態で、27CFMも差があった。計測はThermaltakeによる。

片方のファンに付いている回転数を調整するつまみ

片方のファンに付いている回転数を調整するつまみ。つまみを回すと、両方のファンが連動して切り替わる。

テストはCPUにIntelのCore i7-3770K(最大3.9GHz)を使用。定格クロックで温度を測った。起動してから10分後をアイドル時、CPUに負荷をかけるソフトウエア「OCCT」を実行し15分後を負荷時とした。

結果は下のグラフの通り。風量が多いだけあり、NiC C4と純正CPUクーラーとの差は歴然。回転数を最小にしてもアイドル時、負荷時ともNiC C4が大幅に冷えていた。回転数を最大にしたところ、負荷時の温度は41℃で低回転時よりも1℃下がった。差が1℃なのを少ないと感じるかもしれないが、それは誤解だ。今回はオーバークロックで計測していない。つまり、定格で動くCPUなら低回転でも空冷で冷やせる限界まで温度を低くできる、と言い換えられる。高回転が活きてくるのは、オーバークロックで負荷を一層高くした時。NiC C4は空冷クーラーの高みに上り詰めたモデルだと言っても決して言い過ぎではないだろう。


アイドル時と負荷時のCPU温度を比べた

アイドル時と負荷時のCPU温度を比べた。温度はマザーボード付属のユーティリティーソフトで調べた。低回転時でも空冷で冷やせる限界近くまで冷やせていた。

ラインアップが豊富で選びやすい

NiCシリーズには4つのモデルがあり、いずれもダブルカーブファンを採用する。最新ソケットのLGA1150にも対応済みだ。どれを買っても安心して使い続けられる。

NiC Cシリーズは、紹介したNiC C4の他に1モデルある。「NiC C5」でヒートパイプがC4の4本から5本に増えている。TDPは230Wまでに対応する最強モデルだ。

Cシリーズの下位にNiC Fシリーズがある。こちらも2モデルを展開中だ。シリーズ共通の特徴はファンがPWMに対応し、回転数を自動で制御する点とファンの取り付けがホルダー式でなく針金状の固定具でフィンに取り付ける点、ヒートパイプが直接CPUに触れる点だ。上位の「NiC F4」は4本のヒートパイプと2個の12cm角ファンを組み合わせたモデル。下位の「NiC F3」はヒートパイプが3本、12cm角ファンは1個となる。

冷却能力をパーツ構成や作業内容に合わせてこまめに切り替えたいならNiC Cシリーズ、基本的にCPUを定格で動作させる人や何度も設定を変えるのが面倒だと感じる人にはNiC F4シリーズがお薦めだ。


製品名 NiC F3 NiC F4 NiC C5
型番 CLP0605 CLP0606 CLP0608
対応ソケット LGA1150/2011/1155/1156/1366/775、Socket FM2/FM1/AM3+/AM3/AM2+/AM2
搭載ファン 12cm角 12cm角×2 12cm角×2
ファン回転数 800~1600回転/分 800~1600回転/分 1000~2000回転/分
騒音値 18~30.2dB(A) 18~30.2dB(A) 20~39.9dB(A)
ヒートパイプ 直径6mm×3 直径6mm×4 直径6mm×5
外形寸法 幅50×奥行き140×高さ152mm(ヒートシンクのみ) 幅50×奥行き140×高さ155mm(ヒートシンクのみ) 幅50×奥行き140×高さ160mm(ヒートシンクのみ)
重量 555g 688g 811g

NiCシリーズの主なスペック(C4を除く)

NiC F3

「NiC F3」。NiCシリーズのシンボルである赤いダブルカーブファンを採用する。NiC Fシリーズはヒートシンクにフレーム上のホルダーが無い。ファンは金具でフィンに固定する。

NiC Fシリーズのベース部分

NiC Fシリーズのベース部分。Cシリーズとは異なり、ヒートパイプが直接CPUに触れるタイプだ。

ダブルカーブファンはシリーズに共通して付属する

ダブルカーブファンはシリーズに共通して付属する。冷却能力は全モデルとも期待してよいだろう。

(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

紹介製品はこちら
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製品の詳細
Thermaltake
NIC C5
5本のヒートパイプとニッケルメッキコートの銅製ベース搭載。新設計のダブルカーブファンを2基備えたサイドフロー型CPUクーラー
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製品の詳細
Thermaltake
NIC C4
4本のヒートパイプとニッケルメッキコートの銅製ベース搭載。新設計のダブルカーブファンを2基備えたサイドフロー型CPUクーラー
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製品の詳細
Thermaltake
NIC F4
4本のヒートパイプと曲面デザインのヒートシンク搭載。新設計のダブルカーブファンを2基備えたサイドフロー型CPUクーラー
製品画像
製品の詳細
Thermaltake
NIC F3
3本のヒートパイプと曲面デザインのヒートシンク搭載。ダイレクトタッチヒートパイプ式のサイドフロー型CPUクーラー

●Thermaltake社 概要
Thermaltakeは1999年1月に台湾で設立され、「Thermaltake」というブランド名を携え世界市場へ製品の提供を続けてまいりました。Thermaltakeはシステムの効率改善、ユーザーのPCポンテンシャルを最大に引き出す、美的で高品質製品を設計します。革新的なデザインと独特のスタイルを一貫し、Thermaltake製品はDIY市場での話題と、トレンドリーダーの関心を集める、世界中のユーザーに定評のあるメーカーです。
メーカーウェブサイト:http://jp.thermaltake.com/

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