製品レポート

Product Report

ほこりを溜めないクーラー、TwinFrozr IVを搭載したGTX 670「MSI N670GTX Twin Frozr IV PE OC」

MSIから、人気のオリジナルクーラーの最新版「Twin Frozr IV」を採用したグラフィックスボード「N670GTX Twin Frozr IV PE OC」が登場した。グラフィックスチップにNVIDIAのGeForce GTX 670(以下GTX 670)を搭載し、コアの動作周波数を標準モデルの915MHzから1019MHzへ大幅にオーバークロック。3D性能を高めた。実勢価格は4万3000円。


N670GTX Twin Frozr IV PE OC 製品写真

チップ GPU NVIDIA GeForce GTX 670
GPC 4個
SM 8個
CUDAコア 1,344個
テクスチャユニット 112個
ROPユニット 32個
コア動作周波数
(ベースクロック)
1,019MHz
コア動作周波数
(ブーストクロック)
1,079MHz
メモリー 動作周波数 6,008MHz
容量 GDDR5 2GB
バス幅 256ビット
転送速度 192.3GB/秒
最大消費電力 200W
電源ユニットの推奨出力 500W

動作周波数は上位モデルを超える

GeForce GTX 670は「Kepler」アーキテクチャーを採用したチップで、シングルチップ最上位モデル、同GTX 680(以下GTX 680)の一つ下のモデルだ。シェーダーの数を1536個から1344個に減らし、標準仕様では動作周波数も1006MHzから915MHzへと下げている。メモリーに関しては仕様の違いは無い。N670GTX Twin Frozr IV PE OCはコアをオーバークロックしており、GTX 680よりも動作周波数が高くなっている。

N670GTX Twin Frozr IV PE OC IO部

映像出力端子はDVI-I、DVI-D、HDMI、DisplayPortがそれぞれ1個。全て通常の大きさで、小型端子は使っていないため使いやすい。全ての端子にディスプレイをつないで同時に出力できる。

N670GTX Twin Frozr IV PE OC 補助電源端子

補助電源端子は6ピンを2個。ボードの側面にある。

GeForce GTX 600シリーズは熱や消費電力に余裕がある場合、自動的にオーバークロックする「GPU BOOST」機能を備える。そのため、通常の動作周波数を「ベースクロック」と呼び、別途オーバークロック時の「ブーストクロック」を定めている。オーバークロックモデルの場合、ブーストクロックも引き上げてあるのが一般的だ。

注意が必要なのは、ブーストクロックはあくまで目安で、実際の環境により動作周波数は上下すること。熱をうまく処理できないと動作周波数は上がらない。逆にきちんと冷却できていれば、ブーストクロックを超えて動作することも珍しくない。そのため、GeForce GTX 600シリーズのクーラーは、性能に直結する重要なパーツとなっている。本製品に搭載されている高性能なクーラー、Twin Frozr IVなら、きちんとオーバークロックされることを期待できる。

「Twin Frozr IV」は直径8mmを2本、6mmを3本、合計5本のヒートパイプを使ったクーラーだ。これらによりグラフィックスチップの熱を素早くフィンに伝えられる。ファンは8cm角相当を2個。このファンにも一工夫ある。電源投入時に30秒間通常とは反対向きに回転させる。普段はフィンに風を吹き付けているが、一時的に外に風を送ることでクーラー内部にほこりがたまりにくくしている。

Twin Frozr IV 前面

直径8cmのファンを2個搭載。電源投入から30秒の間は逆回転して内部のほこりを排出する、珍しい機能を持つ。

Twin Frozr IV ヒートシンク

ヒートシンクはヒートパイプを5本内蔵している。これらがチップの熱をクーラー全体にすばやく拡散する。

さらに本製品は独自の「トリプル・オーバー・ボルテージ」に対応。オーバークロック用のMSI独自ソフト「Afterburner」を用いることで、コア、メモリー、PCI Expressバスの動作電圧を上げ、オーバークロック耐性を高められる。ただし、昇圧はチップを破損する危険性があるため、設定は少し手間がかかるようになっている。設定画面の「全般」タブで「電圧制御のロック解除」にチェックを入れ、メイン画面の「Core Voltage(mV)」の右にある矢印をクリックすると設定可能になる。

Afterburner

付属ソフトの「Afterburner」。スライドバーを変更するだけで手軽にオーバークロックできる。

ベンチマークテストで性能をチェック、スコアはミドルクラスの約2倍

N670GTX Twin Frozr IV PE OCの性能をベンチマークテストで確かめてみた。使用したのは定番テストの「3DMark 11」(Futuremark)と、DirectX 11の「テッセレーション」機能を多く使用した「Heaven Benchmark 3.0」(UNIGINE)、3Dゲーム「The Elder Scrolls V: Skyrim」(Bethesda Softworks)の3種類だ。

今回は比較用にミドルクラスの売れ筋GeForce GTX 560 Ti(以下GTX 560 Ti)搭載ボードを用意した。ミドルクラスとは言え3Dゲームをプレイするのに十分な性能を持ったボードだ。2011年の初頭に登場してから長く売れ筋として活躍してきたため、今も使っている人も多いだろう。そろそろ交換しようと思っても、それなりの性能差が無いと効果が実感できない。そこで本製品がGTX 560 Tiから交換するに足る性能があるかをチェックした。また、参考用としてRadeon HD 7950を搭載した製品もテストした。こちらもRadeon HDシリーズの上から2番めのチップだ。

ベンチマーク環境
マザーボード P8Z77-V(ASUSTeK Computer)
CPU Core i7-3770K(3.5GHz)
メモリー DDR3-1600 4GB×2
起動ドライブ Solid 3 120GB(OCZ Technology)
OS Windows 7 Ultimate SP1 64ビット日本語版

テスト条件
3DMark 11 Extremeのプリセットで実行し、総合スコアを採用した。
Heaven Benchmark 3.0 DirectX 11、Tessellationは「Extreme」、Shadersは「High」、Anisotropyは「x16」、Anti-aliasingは「x8」、解像度は1920×1080ドットで実行し、平均fps(frame per second、1秒間当たりの画面描画回数)を採用した。
The Elder Scrolls V: Skyrim 解像度は1920×1080ドット、Ultra Highのプリセットで実行し、冒頭のシーンの平均fpsを採用した。計測には「Fraps」(Beepa)を使用した。

3DMark11

3DMark 11の結果。比較対象が前の世代のチップとは言え、本製品のスコアはGeForce GTX 560 Tiの2倍近い。

Unigine Heaven

Heaven BenchmarkはDirectX 11の機能を多く使ったテスト。ここでも本製品が飛びぬけて高いfpsを記録した。

The Elder Scrolls V

実際の3Dゲームでfpsを測った。fpsが高ければ、負荷の高い場面でもガタ付きが起きにくい。負荷があまり高くないためか、他のテストと比べて差は小さくなった。

結果は、全てのテストで本製品はGTX 560 Tiを大幅に上回った。特に負荷が大きいテストで差が開く傾向があり、DirectX 11ベースのテストでは2倍近いスコアだった。これだけ性能差があれば、乗り換えれば性能アップが体感できるだろう。

性能が上がっても消費電力はあまり変わない

GeForce GTX 600シリーズは消費電力の低さも特徴の一つだ。電力計「WattsUp? PRO」(Electronic Educational Devices)を使い、3DMark 11実行中の消費電力を測った。

消費電力

消費電力も最も低い、とはいかないものの、性能の高さを考慮すれば十分低い。

GTX 560 Tiと比べて負荷時に6W高かった。さすがに消費電力は少し高かったものの、3D性能の差を考えれば十分抑えられていると言える。またアイドル時は5W低かったことも注目だ。パソコンが起動している間、ずっと3Dゲームをプレイしている人は少ないだろう。普段、負荷の低い時に消費電力が抑えられるのはポイントが高い。

(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。



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●MSI社 概要
MSI(Micro-Star International)は、台湾に本社を置き、各種メインボードやグラフィックスカード、そして近年では、ノートブックや液晶一体型などPCシステム全般を幅広く製造販売するメーカーとして世界各国でその活動を展開しています。
メーカーウェブサイト:http://jp.msi.com/

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