製品レポート

エコ発電に最適! 太陽光を活用した「Guide 10 Plus Adventure Kit」

エコ発電に最適! 太陽光を活用した「Guide 10 Plus Adventure Kit」

スマートフォンなどの最新モバイルデバイスは、たった1日で電池がなくなってしまうことも多い。それら新型デバイスの急激な普及に伴い、常に持ち歩く緊急電源(モバイルバッテリー)の需要が高まっている。

今回取り上げる「Guide 10 Plus Adventure Kit (充電池別売)」は、ソーラーパネルでモバイルバッテリーを充電するキット。携帯性に優れているにもかかわらず大型のパネルを2枚搭載し、同梱するモバイルバッテリーへのスピーディなエネルギーチャージをうたう。


Guide 10 Plus Adventure Kit 製品写真

Nomad 7(ソーラーパネル部分)
最大出力 7W
出力端子 USB、Guide 10 Plus専用端子、12Vシガー専用ポート
充電時間の目安 専用充電器(Guide 10 Plus)は約2~4時間、携帯電話は約1~3時間、スマートフォンは約2~4時間(Guide 10 Plusを経由して充電)
本体サイズ、重量 W153×H230×D25mm(収納時)、約360g
Guide 10 Plus(バッテリー部分)
入力端子 USBミニ、ソーラーパネル専用ポート
出力端子 USB
充電池 ニッケル水素充電池(単3/単4、別売り)
充電時間の目安 ソーラーパネル(Nomad 7)使用時は約2~4時間、USB入力時は約8~10時間
充電回数の目安 iPod/MP3プレイヤー/携帯電話はフル充電3回、スマートフォンはフル充電2回、iPadはプラス約5時間駆動
本体サイズ、重量 W64×H102×D20mm、約60g

携帯用ながら大きめのパネルを搭載

「Guide 10 Plus Adventure Kit (充電池別売)」の概要は、ソーラーパネルの「Nomad 7」と、ニッケル水素充電池を用いるモバイルバッテリー「Guide 10 Plus」とのセットだ。充電池は付属しないため、市販の単3形充電池(eneloopなど)を別途購入する。

Nomad 7の最大出力は7W。よく日の当たる場所に設置した場合、Guide 10 Plusの充電はおよそ2~4時間が目安だ。説明書によると、太陽光に向けて真っ直ぐパネルを当てる角度がベストポジション。パネルは横が約130mm、縦が約200mmと面積が大きく、熱変換効率は17~18%となっている。発売元のGOAL ZEROでは登山などでのアウトドア利用を前面に押し出しているが、直射日光が当たる場所さえ確保できれば、もちろん街中でも充電可能だ。

パッケージ

「Guide 10 Plus Adventure Kit (充電池別売)」のパッケージ

アウトドアのイメージ写真

「Guide 10 Plus Adventure Kit (充電池別売)」のパッケージ背面。おもな利用はアウトドアを想定しており、バックパックにパネルを広げたイメージ写真が使われている

パッケージ内容

パッケージ内容。上はソーラーパネルのNomad 7。下は左から説明書、モバイルバッテリーのGuide 10 Plus、ケーブル類(USB to USBミニBケーブル、Nomad 7とGuide 10 Plus接続専用ケーブル、12Vシガーソケット出力用ケーブル)

Nomad 7説明書

日本語の説明書が付属。太陽の向きに対してまっすぐ当たる角度がベストポジションだ


充電と出力状態はインジケーターで確認、LEDライトも付属して緊急時に役立つ

Guide 10 PlusはミニUSB端子を経由してPCからのバスパワー充電や、AC電源からのチャージもできる。入出力部分にはインジケーターがあり、点灯色でバッテリーの状態が分かる。Nomad 7から充電している場合、ゆっくりとした赤の点滅なら0~50%、ゆっくりとした緑の点滅なら50~80%、速い緑の点滅なら80~100%。対してGuide 10 Plusから他機器へ出力している場合、バッテリーに余裕のある状態なら緑、ほとんどない状態ならオレンジ、空なら赤となる。インジケーターを見ながら、充電/出力状況を見極めよう。

インジケーター兼用のLEDライトも搭載しており、緊急時に役立つ。夜間の屋外で試してみると、1メートル付近までは足元を明るく照らしてくれた。考えてみれば今回のキット自体が、震災などの緊急時に活用できるものだ。まさかの時に屋外で充電が行えるのは心強い。「防災グッズ」「避難グッズ」として手元に置いておくのも一考だ。

ソーラーパネルを広げた状態

ソーラーパネルを広げたところ。普段は折りたたんでコンパクトに収納して持ち運べる

Guide 10はNomad 7のポケットへ

Guide 10 Plusはパネル付属のポケットに入れる。スマートフォンや音楽プレーヤーなどをパネルから直接充電する場合も、このポケットに入れることで機器に直射日光が当たるのを防げる

5V USB出力

5V USB出力だけでなく、12Vシガーソケット専用端子もあるのはアウトドア派には嬉しい

Guide 10入出力

Guide 10 Plusの入出力部。真ん中がUSB端子出力、右上の「INPUTS」部のミニUSB端子と「SOLAR」部分が入力(SOLAR部分は付属の専用ケーブルのみ対応)。左のスイッチは「○」がオフ、「|」がオン、照明マークがLEDライト。他機器にUSB出力する場合は必ずオンの状態にする。左上部のインジケーターが充電/出力状態を示す

インジケーターはLEDライトにもなる

中央の大きなインジケーターがLEDライトを兼ねる。ライトは満充電下で約100時間点灯

iPhone 4SとGuide 10 Plus

大きさはiPhone 4Sより少し小さいサイズ。持ち運びに便利だ


折りたたんで携行できるNomad 7

Nomad 7はナイロン製。マジックテープが内側に付いており、このように折りたたんで持ち運べる。薄いのでバッグにも十分収納できる

モバイルバッテリーの充電には十分な日光が必要

今回の検証ではGuide 10 Plusに単3形のeneloopを利用した。ベランダでよく日の当たる場所を探し、Nomad 7を設置。12月上旬の晴れた日に試してみると、公称通り約4時間で満充電となった。ただし、天候状況や太陽の角度によって時間のバラつきは必ず出てくる。もちろん、季節によっても違うだろう。あくまでも目安の時間として捉えたほうがよい。

一方、Guide 10 Plusの満充電後、バッテリー残量27%のiPhone 4Sを充電してみると約1時間半で満充電になった。

常にモバイルバッテリーとしてGuide 10 Plusを使うなら、ACから充電したほうが現実的だろう。しかし山や海など電源がない場所に行く場合にはNomad 7が頼りになる。例えば釣りのようにじっとしている時にそばに置いておく使い方は効果的だ。


日当たりのよい場所で実験

しっかりと充電するためには日当たりの良い場所が必須。太陽光の向きも気にしながら場所を確保する

Nomad 7からの直接充電

パネルに付属のUSB端子から機器への直接充電もできる。ただし、機器を接続している場合には、目の届く範囲で行うべきだろう

5V USB出力

Guide 10 Plusを満充電にした状態でiPhone 4Sと接続。順調に充電している


バッテリーアナライザーを使ってもう少し詳しく検証

上述の検証では、Guide 10 PlusとNomad 7を組み合わせて、1,900mAhのeneloop4本を約4時間で満充電という結果になった。この結果の裏付けをしてみよう。用意したのはバッテリーアナライザーだ。これを使うと、ニッケル水素充電池の充電・放電の容量を測定できる。充電されたエネループを放電し、放電量を計測することによって、太陽光で発電し蓄電された電池容量がわかるのだ。

テストは12月下旬の陽が短い日を選んで行った。測定1平方メートルあたりの日射量を測定できるソーラーパワーメーカーを用いると、正午時点で1,002W/m2だった。この日の11時から16時30分まで、Guide 10 Plusにセットしたeneloop4本をNomad 7を使って充電してみると、1本あたり1,804~1819mAhという結果になった。仕様上の容量が1,900mAhなので、ほぼ満充電といってよいだろう。

さらにこの翌日、約2時間半の充電を行ってみると、1本あたり1,272~1,285mAh、4本合計で5,097mAhという結果になった。1時間あたり約2,040mAhの充電が行えた計算になり、eneloop4本の仕様上の合計容量である7,600mAhを充電するのに要する時間は約3時間40~45分程度となる。先の約4時間で満充電になった検証結果にも準じている。

検証風景

南向きに傾斜を付けてソーラーパネルを設置。Guide 10 Plusと組み合わせてeneloop4本を充電した

ソーラーパワーメーター

太陽光強度を測定するソーラーパワーメーター。検証を行った12月下旬は、正午前後で約1,000W/m2の強度だった

バッテリーアナライザー

バッテリーアナライザーを使って、ソーラーパネルで充電した電池容量を調べる


先述のとおり、すべての検証は日射量、日照時間が少ない12月に行っている。「Guide 10 Plus Adventure Kit」は、条件の悪い冬季であってもeneloop4本を4時間程度で満充電にできるということを確認できた。もちろん日照時間が長く、日射量も多くなる夏場なら、「Guide 10 Plus Adventure Kit」はさらなる活躍が期待できる。


(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。


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●Goal Zero社 概要
GOAL ZERO社は、企業家のRobert Workman氏が自身の事業で成功を収めた後に、アフリカのコンゴでNPOとして活動した際に住民が電気のない生活をしている所を目の当たりにし、電気を使えない貧困層をなくすことを理念として、2008年に米国ユタ州で設立されました。携帯用太陽光発電メーカーのリーダーとして、環境にやさしく、品質、デザイン、使いやすさにこだわった、高性能かつポータブルで拡張性が高いソーラー発電システムを開発しております。アウトドア、キャンプユーザーはもとより、外出先でのバッテリ充電に最適な製品を提供しております。詳しくは、GOAL ZERO社のホームページをご覧ください。
メーカーウェブサイト:http://www.goalzero.com/

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