製品レポート

小型でも高性能を実現できるBitFenixのmicroATXケース

小型でも高性能を実現できるmicroATXケース

今回紹介するのは、BitFenix製PCケース「Colossus microATX」「Phenom microATX」「Prodigy M」の3モデル。いずれもシャシーの構造は同じで、外装のデザインや側面パネル、搭載ファンの数が異なる。microATXサイズのマザーボードに対応し、小型ながら拡張性が高いのが大きな特徴だ。

3色に光るLEDがインパクト大 Colossus microATX

Colossus microATX 製品画像


対応マザーボード microATX、Mini-ITX
ドライブベイ 5インチ×1、内部3.5インチ×4、内部2.5インチ×3
搭載可能ファン 上面:12cm角×2
底面:12cm角×2または23/20cm径×1(12cm角×1を搭載済み)
背面:14/12cm角×1(12cm角を搭載済み)
前面端子 USB 3.0×2、マイク×1、ヘッドホン×1
対応グラフィックボード 最大32cm
対応CPUクーラー 高さ最大16cm
拡張スロット 5
対応電源 ATX
外形寸法 250(W)×330(H)×374(D) mm


Colossus microATXは、両側の側面パネルから前面パネルに鋭く入ったラインがポイント。LEDを内蔵しており、ブルー、グリーン、レッドの3色で光る。ドライブベイは5インチ×1のほか、内部3.5インチ×4と内部2.5インチ×3を搭載。さらに、長さ32cmまでのグラフィックボードや、高さ16cmまでの空冷クーラー、24cmサイズのラジエーターへの対応もうたっており、通常のミドルタワー型ケースと比べてもそん色のない拡張性といえる。

側面パネルは背面の手回しねじを取って、後ろに引くと外れる

側面パネルは背面の手回しねじを取って、後ろに引くと外れる。

Colossus microATXの側面パネルを開けたところ

Colossus microATXの側面パネルを開けたところ。まず、右側面にトレーがある。このトレーに3.5インチドライブを2台、2.5インチドライブを3台取り付けられる。底面にはさらに3.5インチドライブを2台搭載可能(ファンを外した場合)。ケースの裏側からねじ留めする。

前面にカバーを搭載しているのも特徴

Colossus microATXは前面にカバーを搭載しているのも特徴。内部の音が漏れにくい。


コンパクトと高い拡張性という、相反する特徴を両立させるために、シャシーはかなりユニークな構造となっている。マザーボードは一般的なミドルタワー型ケースとは、上下逆さまに取り付ける。また、電源ユニットは延長ケーブルを使用して、ケースの前面に縦に設置する。

とはいえ、組み立ては決して難しくはない。右側面にあるトレーを外したら、マザーボードや電源ユニットなどを固定して、最後にSSDやHDDを取り付けたトレーを元の位置に戻せばよい。注意が必要なのはケーブルの配線について。内部のスペースが限られるので、特にファンに干渉しないように気を付けよう。なお、Colossus microATXには標準で結束バンドが付属しているので、利用するとよいだろう。

前面パネルは内側のツメを押し込むと簡単に外れる

前面パネルは内側のツメを押し込むと簡単に外れる。ドライバーは不要。

電源ユニットはあらかじめフレームにねじ留めしてフレームごとシャシーに固定する仕様

電源ユニットはあらかじめフレームにねじ留めしてフレームごとシャシーに固定する仕様。フレームは手回しねじ1個で固定できる。

ケース内に延長ケーブルがあり、底面で電源ユニットに接続しておく

ケース内に延長ケーブルがあり、底面で電源ユニットに接続しておく。延長ケーブルを使用する小型ケースの場合、一度組んでしまうと電源のスイッチがオン/オフできない製品もあるが、Colossus microATXは底面でオン/オフできる。

拡張ボードの固定はねじ留めが不要

拡張ボードの固定はねじ留めが不要。背面にある留め具でまとめて固定できる。

側面のフレームの裏側にHDDを取り付けると

側面のフレームの裏側にHDDを取り付けると中央のねじ穴は使えないので、SSDは2台までとなる。

Serial ATAケーブルはコネクターの形状に注意

Serial ATAケーブルはコネクターの形状に注意。ストレートタイプだと問題なく使える。

スイッチや端子類は右側の側面パネルにある

スイッチや端子類は右側の側面パネルにある。ケーブルの配線は慎重に行おう。

Colossus microATXにSSDとHDD以外のパーツを組み込んだところ

Colossus microATXにSSDとHDD以外のパーツを組み込んだところ。5インチの光学式ドライブと長さが30.5cmもある巨大なグラフィックボードも干渉せずに搭載できた。

12cm角ファン×2を搭載し冷却も万全

当然、パーツを詰め込むとその分内部のスペースが狭くなり、冷却の条件も厳しくなる。小型ケースの場合は特に注意が必要だ。Colossus microATXは、背面と底面に12cm角ファンを1つずつ備えているほか、上面にファンを追加可能。パーツのすぐそばにファンを配置するレイアウトで、効率的に冷やせる。

背面には12cm角ファンを搭載

背面には12cm角ファンを搭載。さらに大きな14cm角ファンに交換もできる。

底面には12cm角ファンを搭載済み

底面には12cm角ファンを搭載済み。さらにもう1個12cm角ファンを追加できるほか、巨大な23cm角ファン1個に交換も可能。


実際にパーツ一式を組み込んだ状態でCPU温度を測った。ハイスペックなパーツを使い、しかも高い負荷をかけたため、CPU温度はかなり高温になったが、途中で強制的にPCが再起動したり、クロックが落ちたりすることはなかった。通常の用途で使う分にはまず問題ないと言える。

さらに、Colossus microATXは小型ながら24cmサイズのラジエーターが収まるのも大きなポイント。そこで、光学式ドライブを取り外して一体型水冷クーラー「Seidon 240M」(Cooler Master Technology)を搭載して、再度CPU温度を測った。その結果、高負荷時も61℃に抑えられた。一体型の水冷クーラーを組み合わせれば、小型でもハイスペックなパーツを安心して使えることが実証できた。ちなみにPhenom microATXとProdigy Mもシャシーが同じ構造のため、ほぼ同じ冷却性能が手に入る。

ケース上部にファンやラジエーターを簡単に取り付けられる

上面のカバーは簡単に外せて、ケース上部にファンやラジエーターを簡単に取り付けられる。

巨大なグラフィックボードと一緒に使えた

光学式ドライブを取り外し、一体型水冷クーラーのSeidon 240Mを取り付けたところ。巨大なグラフィックボードと一緒に使えた。

LEDは側面のスイッチで色やオン/オフを切り替え可能

LEDは側面のスイッチで色やオン/オフを切り替え可能。BitFenixが「LifeTrakテクノロジー」と呼ぶ機能により、3色がゆっくり切り替わるモードも選べる。

LEDの発光イメージ

LEDの発光イメージ。ブルー、グリーン、レッドの3色に対応。

小型ながらHDDやSSDをたくさん搭載できる Phenom Micro-ATX

Phenom Micro-ATX 製品画像


対応マザーボード microATX、Mini-ITX
ドライブベイ 内部3.5インチ×5(うち1つはマウンターを使用)
内部2.5インチ×5(うち1つは内部3.5インチと排他)
搭載可能ファン 上面:12cm角×2
底面:12cm角×2または23/20cm径×1(12cm角×1を搭載済み)
背面:14/12cm角×1(12cm角を搭載済み)
前面端子 USB 3.0×2、マイク×1、ヘッドホン×1
対応グラフィックボード 最大32cm
対応CPUクーラー 高さ最大16cm
拡張スロット 5
対応電源 ATX
外形寸法 250(W)×330(H)×374(D) mm


Phenom Micro-ATXはColossus microATXとシャシーの構造が同じ。前面パネルのデザインがフラットで、5インチサイズの光学式ドライブやファンコントローラーには対応しない。ただし、内部には5インチドライブを固定するためのベイがあり、付属の変換マウンターを使用すれば3.5インチドライブを取り付けられる。また側面パネルに内部2.5インチベイが2つあるのもこの製品の特徴だ。


今回使用したのはNVIDIAとコラボレーションした特別モデル

今回使用したのはNVIDIAとコラボレーションした特別モデル。側面パネルにはNVIDIAのエンブレムやGeForceのロゴが配置されている。カラーはブラックのほかホワイトもある。なお、ロゴの入っていない通常モデルもラインアップする。

ハンドル付きで移動もしやすい Prodigy M

Prodigy M 製品画像


対応マザーボード microATX、Mini-ITX
ドライブベイ 5インチ×1、内部3.5インチ×4、
内部2.5インチ×5(うち1つは内部3.5インチと排他)
搭載可能ファン 上面:12cm角×2
底面:12cm角×2または23/20cm径×1(12cm角×1を搭載済み)
背面:14/12cm角×1(12cm角を搭載済み)
前面端子 USB 3.0×2、マイク×1、ヘッドホン×1
対応グラフィックボード 最大32cm
対応CPUクーラー 高さ最大16cm
拡張スロット 5
対応電源 ATX
外形寸法 250(W)×404(H)×359(D) mm


Prodigy MもColossus microATXとシャシーの構造が同じ。上下にラバー製のハンドルを搭載しているのが大きなポイント。カラーはブラックのほかホワイトもある。Phenom Micro-ATXと同様に側面パネルにも内部2.5インチベイが2つある。


ハンドルがある分、上の2製品に比べると高さがある

ハンドルがある分、上の2製品に比べると高さがある。持ち運びがしやすいのもポイント。

Prodigy Mにも、NVIDIAとコラボレーションした特別モデルがある

Prodigy Mにも、NVIDIAとコラボレーションした特別モデルがある。カラーはブラックとホワイトの2色。いずれも刺激的で目立つデザインだ。

番外編:見た目と冷却にこだわったATX対応のタワー型 Ronin

Ronin 製品画像


対応マザーボード ATX、microATX、Mini-ITX
ドライブベイ 5インチ×3、内部3.5/2.5インチ×6
搭載可能ファン 前面:12cm角×2(12cm角×1を搭載済み)
上面:14/12cm角×2
底面:12cm角×1
背面:12cm角×1(搭載済み)
前面端子 USB 3.0×2、USB 2.0×2、マイク×1、ヘッドホン×1
対応グラフィックボード 最大42cm
対応CPUクーラー 高さ最大16cm
拡張スロット 7
対応電源 ATX
外形寸法 205(W)×483(H)×505(D) mm


設置スペースに余裕がある、小型にはそれほどこだわらない、というユーザーは「Ronin」にも注目したい。ATX対応のタワー型ケース。他のBitFenix製ケース同様、外装は質感が高く、デザインも個性的。側面パネルには透明アクリル板を採用しており、内部が見える。さらに、マザーボード部分以外はステルスカバーで隠せる仕様で、より見た目にこだわった作りとなっている。ドライブベイは5インチ×3のほか、内部3.5/2.5インチ×6を搭載。もちろん、24cmサイズのラジエーターなど、ハイスペックなパーツに対応する。冷却性能の高さもポイント。前面や上面、底面にたくさんの通気口があるほか、ケース内には最大5つのファンを搭載できる。


インパクトのある見た目のPCが組める

LED付きのパーツを搭載し、ステルスカバーを使えば、このようにインパクトのある見た目のPCが組める。

(文・写真=SPOOL

※ 本記事は執筆時の情報に基づいており、販売が既に終了している製品や、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

紹介製品はこちら
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●BitFenix社 概要
BitFenix社は、ユーザーのニーズに応えるソリューションを設計し、最新の技術と優れたデザインを組み合わせることに焦点を当てたPCケースをはじめとする様々な周辺機器を提供しております。
メーカーウェブサイト:http://www.bitfenix.com/

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